青春時計[秀作]

青春時計 (富士見ミステリー文庫)

青春時計 (富士見ミステリー文庫)

10代後半の三人が出逢い、それぞれの想い・目的のため一つの共同作業に取り掛かる。
三章から成り、各章を別の作家が担当するという興味深い仕組み*1
章ごとに「○○の日記」というタイトルが付き、各人物の独白体でもって書かれている。
一・二章を読んでいる最中には、試みの面白さに反してそれほど内容は功を奏してないと感じたが、三章読んで撤回。
一章辺りに多くの頁を割けないことからも、どうにも前二章は登場人物が抱く想いが唐突にすぎて感情移入しにくい。
こう言ってしまうと担当した作家に申し訳ないが、詰まるところ前二章は三章のための礎でしかないような…。
いや、もしかして意図してそうしたのかも。三章の際立ちを思えばそう考えられなくもないなぁ。
結局は全部で一作品。よって、良い青春物語でした。


むむ、三章担当の緋野さんはこの作品がデビュー作だと?
あくまで個人的にではあっても、一番良いと思えた三章が新人…。皮肉。
頑張れ森橋!どうした森橋!川上さんは知らん。別著を読んだことないので、元から好みじゃないのか、今回イマイチだったのか判断出来ない(汗)。

*1:順に、森橋さん・川上さん・緋野さん。プロローグとエピローグは誰が担当したのだろう