塩の街
塩の街―wish on my precious (電撃文庫)
- 作者: 有川浩,昭次
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2004/02/01
- メディア: 文庫
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突如星外から飛来した結晶により、世界は人類が塩の塊と化す怪現象に見舞われる。
結晶飛来からわずか半年で人口が1/3にまで減少し、様変わりした世界で平時であれば交わることのなかった運命が交差する。
といった塩梅の本作。始め二章は結晶化して死に逝く人と、主役がそこに立ち入り関わっていく様が描かれる。
そして中盤以降舞台は一変して、結晶に襲われた世界を救うために(以下略)という有川節炸裂。
そしてコンセプトとして、
「貴方の大切な方が命を賭して事に望めば世界は救われます。」という問いに
「わかりました。じゃあ世界なんてどうでもいいので、残されたわずかな時間だけでも二人で居たいです。」と答える。
というのがあるから悲劇になりようもなく、その辺安心して読める。
まあ、デビュー作飛ばして後の三作品を全部読んで来た者としては有川作品が悲劇になるはずもないことは解りきってるけど、そうでない人は、ということで。
尚、本作でもやはり自衛隊(塩の街では陸自)は登場して物語に関わってくるわけだけど、
後の二作と違い災害・軍事活動の模様はごく僅かで、ストーリーへの介入度は割と低め。
さて、ようやっと『塩の街』も読んだことだし、のっけからこのクオリティなんだからやっぱ有川さんは鉄板、ということで俺としてはFAとしたいと思います。