そんな未来はウソである 1

そんな未来はウソである(1) (KCデラックス 週刊少年マガジン)

そんな未来はウソである(1) (KCデラックス 週刊少年マガジン)

みなみけ』が好評を博す桜場さんの完全新作。
月刊誌にてマイペースに連載を続け、一年半かけてようやく第1巻が発売となった。


今回は高校生活が舞台。
登場人物も現状では5人に限定されており、みなみけよりも題材・舞台の範囲を絞った内容となっている。
以下、概要の説明。


大橋ミツキは目が合った人のちょっとした未来が見えてしまう。
故に極力人と目を合わせない生活を心がけている。
結果、友人は居ない。
新しい高校生活でもできる見込みはなく、作ろうという気もなかった。
が、彼女のクラスにはもう一人変わり者が居た。
他人の言葉がウソかどうか聞いただけでわかってしまう佐藤アカネ、その人である。
普通の人からすれば「おかしなこと」であるミツキの話を「ウソを言っていないとわかるので」あっさり信じる彼女。
そんなアカネになつく彼女。
こうして奇妙な二人の学園生活が始まった。


というわけで、ちょっとしたサイキック要素が加わった学園コメディというのが本作。
物語はここから更に、ふとした拍子に自分の未来を見てしまったミツキの未来を元の鞘に納まる様アカネが孤軍奮闘する話へと発展する。
具体的にはこうである。

アカネが掲げた手鏡によって、自分の未来を見てしまったミツキ。
彼女が見た未来はクラスメイトの高山君と結婚していた自分の姿だという。
しかし、彼のことはよく知らないし、知らない人とは結婚しないよ・・・と気にも留めない彼女。
だが、彼女曰く知らずに行動していればその未来はほぼ100%現実のものになるという。
「じゃあ自分が手鏡を見せてしまったことで、未来を知ってしまったミツキの運命は変わるんじゃないか?」と責任を感じるアカネ。
もし高山君が良い人ならこれは一大事。
そうでないなら結果オーライ。


そして早速行った調査?の結果高山君は良い人だった。
そこでアカネは、なんとかして二人をくっつけようとあれやこれやの作戦を遂行する。
こうして、(すぐにウソが分かってしまい辟易してしまうので)誰とも関わらず静かな毎日を送るはずだったアカネの高校生活は、気苦労の絶えない忙しない毎日となるのだった・・・。

とまあ、こんな感じ。
このことからもわかるように、本作ではみなみけとは違いストーリー性があり、ラブコメの色彩も加わっている。
ネタの組み方や笑いの取り方こそ共通しているが、作品の雰囲気は意外と差別化されている。
どちらがより好みかは人によると思われるが、個人的にはこちらの方が続きが楽しみになるといった側面もあるためか、より面白いように感じられた。
次巻の待ち遠しさという点においてもみなみけのそれを凌駕している。
年内に2巻が出ることはほぼ絶望的なのが残念だ。