マテリアル・パズル ゼロクロイツ 7

大きな自信を手に、虹との戦いに臨んだベルジ達。
これに対し、過去の法則を破って二体同時に現れた虹。
それでも互角に渡り合うベルジ達だったが、主力であるフラメアインスを欠いた彼らにはトドメが刺せなかった・・・。
このまま消耗し、全滅するかという絶体絶命の危機に陥ったベルジ達。
だが不意に、そんな沈鬱な空気を打ち破ってフラメアインスの咆哮が轟いた。
それは、メルパトラの血縁であるマスターパイネルが取った捨て身の融合で・・・。


さて、完結までのカウントダウン開始が宣言された前回から引き続いての第7巻。
前半は冒頭書いた通り、現状における総力戦の続きが描かれる。
ここで見られる展開は、ベタだが少年漫画の王道といって良い代物。
跳ね返しても再び訪れる次なる窮地に、更なる起死回生の一手でもって対処し、その果てに満身創痍での勝利を手にするという熱い流れ。
そして、その過程において尊い犠牲を支払うこととなり・・・という特大のオマケつきであった。


一方、後半は最終決戦前の総決算といった塩梅。
「後方の憂いを断つ」であったり、「誰それの進化」(パワーアップ)であったり、「虹とロボットにまつわる新情報」の入手であったりである。
ちなみにこちらは前半の決戦から3ヶ月ほどの期間を要しているが、4巻だか5巻だがにもあったようなダイジェスト的に振り返ることによって時の長さを感じさせない作りとなっている。

その他、原作者の土塚さんにカバー折り返しにて、当初は主役のうちの一人だったはずだけど・・・という前置きと共に「さようなら」宣言をされてしまったクリムにもちょっとした見せ場アリ。
些細なものではあったが、ベルジとシュウガという「男の子」を常に傍で見続けてきた彼女ならではの理解の示し方が見て取れるさり気なくも意味深いシーンとして印象的。



そういったわけでこの7巻は、前半はめまぐるしく変わる展開が楽しくも忙しいバトル。
後半は情報整理もかねたインターバル(小休止)という二面からなるバランスの良い仕上がりになっていた。
クライマックス入りとなるであろう8巻も楽しみである。