ベン・トー 7.5 箸休め〜Wolves,be ambitious!〜

独自の世界を絶好調爆走中である『ベン・トー』。
今回はそのナンバリングからもわかるように、5.5と同じく本編からは少し外れたアラカルトが盛りだくさんの短編集、第二弾。
そして、お送りされる内容は本編に比べてエロス増量・腹の虫減量、ただしセガ成分通常営業といった割り振り。


さて、前回の短編集はあせびに配分が偏重するものとなっていたが、今回はどうか。
各章をざっくりと紹介する形でその点を見てみよう。
・1章:3.5倍

ボリューム的にいっても今回のメインディッシュ。
そして今回のエロス分はほぼココに集中して注ぎ込まれているのだが、いまのご時勢では逮捕者が出そうな勢い。
入浴シーンなんかは、まさに映像化して下さいと言わんばかりである。
さすが短編集、思い切ったはっちゃけぶりだ。
また、白粉が「先生」としての暴走ぶりを遺憾なく発揮しているのもこの回である。


ちなみにその内容はと言うと、HP同好会+茉莉花という面子での1泊2日の小旅行のお話。
中盤は思わぬ人物の再登場によってオチが読めても尚面白い展開へと発展。
争奪戦時のそれに類する熱血成分が濃いめ。
そして終盤にはほとばしるロリの誘惑。
アサウラさんめ・・・なんてあざとい罠を張りやがる。
だが、それがいい
かつての「アレ」で既に判っていたことではあるが、恐るべき逸材、茉莉花に要注意である。

・2章:間食版「1」『違いのわかる狼』
・4章:間食版「2」『桜色のアレ』
・6章:間食版「3」『十人十色』
・8章:間食版「特別編」『魔女になった少女』

サブタイから察せられる通り、連続した作りになっているお話。
1〜3が槍水がまだ1年だった頃の過去編、特別編がそんな過去を踏まえた上でのオチとなっている。
全体的にボリュームは控えめで、ショートコメディといった様相。

・3章:モモとカズラと

これまでにも度々登場があったもののあまり突っ込んだ描写のなかった槍水の友人───木之下桃と紫華蔓にスポットを当てたお話。
この作品においては、普通であることは罪ということなのだろうか。
短編らしいギャグ回とすべく、普通人の紫華が気の毒な目に遭わされている。

・5章:天使の贈り物

あせびの特異体質?をおもしろおかしく描くおなじみのお話。
あせびは可愛いのだが、本当に残念な子である。
尚、主役はモブ的なゲストとなっており、レギュラーとしてはあせびの他には著我が出てくるのみ。

・7章:男子寮と従妹とバレンタインデー

今回のカオス大賞を受勲するであろうお話。
セガネタ的な意味で・・・といったことではないのだが、相変わらずこの面子が揃うと話がいつになくおかしな方向に行ってしまうのが面白い。
ただし、HP部のそれは中に加わっていきたいのに対し、こちらは傍から見ているに限った愉快さという違いがあるのだが・・・。

・9章:ある日の著我あやめ

今回の陰のメインディッシュ。
著我スキーはガッツポーズor畳をのたうつ、そうでない人は危機感を覚える(著我の突出に、という意味で)。
そんな内容になっている。
詳しくは読んでからのお楽しみ。


ちなみに、今回は争奪戦の描写があるのはこのお話のみ。
必然的に著我のテリトリーでのこととなるので、二階堂やオルトロス達だけに出番が伴っている。
それにしても梗・・・アンタ一体どこで人を判別しているんだ・・・。

といった塩梅となっており、5.5と比べるとかなり満遍なく配分されているように思える。
どの登場人物、あるいはどんな展開が好きな人にとってもそれぞれに盛り上がりどころが用意されているといった印象だ。
総じて、満足度の高い仕上がりになっていると言って良いだろう。