乙嫁語り 3

乙嫁語り(3) (ビームコミックス)

乙嫁語り(3) (ビームコミックス)

アミル達の元を発ち、一路アンカラへと旅に出たスミス。
土地勘はおろかその地の風習などにも疎い彼にとって一人旅は命取り。
それ故にカラザの街まで出たらそこで案内人と落ち合うことになっていたのだが・・・。
アミルに次いでタラスというお嫁さんが登場。
第2幕突入の第3巻。


さて、冒頭書いた通りスミスが村を発ったことで、今回から物語の舞台が移った。
てっきりアミルらが主人公だとばかり思っていたので、スミスを中心に物語が展開するとは思いも寄らず、意外であった。
しかしこれが思いの外おもしろい。
おっとりしているというか、間が抜けているというか・・・とにかく物腰が柔らかく荒事・面倒事には弱そうな彼が次々に災難に巻き込まれていく様子が、気の毒でもあり愉快なのである。


そして、そんなコメディじみた展開の果てに待ち受ける切なく物悲しい結末。
1〜2巻では、色々ありはしたもののアミルとカルルクが実に幸せな光景を形作っていただけに、やるせなさと寂寥感を伴う今回の展開は新鮮かつ印象的であった。
今回が予想外の展開を繰り広げただけに、この先に待ち受ける展開にも一層の期待が膨らむ。
実に良く出来た作品である。


しかしそれにしても現実とは、かくも儚く容赦がないものなのか・・・。