夏月の海に囁く呪文[秀作]

夏月の海に囁く呪文 (電撃文庫 (1178))

夏月の海に囁く呪文 (電撃文庫 (1178))

きっとすぐ読み終わります。読むのが楽しくて頁を繰りたくなるから。
扱いとしては電撃文庫のイラストなし刊行の一環。現世現代が舞台の物語。ファンタジー要素薄し。
四話からなる構成で、各話継続性があるけれど主役はそれぞれ別。
とにかくもう第二話が感動もの。恥ずかしながら読んでる途中で視界がぼやけた。
昔に置き忘れてきた夢を思い出し、叶わなくなった夢に悄然とし、戻れぬ日に想いを馳せる。
けれども、このことを契機に後ろばかり振り返っていた者が前を見据え始める。
ここまでなら押しも押されもせぬ傑作なのだけれど、残り2話にやや蛇足感。第二話があれだけに尻すぼみに思えるのかな。
とここでまた妙な見方をしますが、前半2話だけだと200頁にも満たないんですよ。つまりはまぁ、ね?勘繰り過ぎか。


ちなみに舞台は夏。何故11月に出版されたのだろうと思いましたが、単純に著者が締め切りを豪快に破ったからでした。
本来は夏に出版できる日程で組まれていたみたいですね。