シナオシ[秀作]

シナオシ (富士見ミステリー文庫)

シナオシ (富士見ミステリー文庫)

同著者の『キリサキ』を既読の方には説明不要。主人公が開始直後に死亡してナヴィに遭い(以下略)。
キリサキ未読の場合はどう説明したものか。あまり話すとネタバレしてしまうのでサクっと。
“僕”は死に、生き返る。5年の時を遡り、他人の体に入ることで。
そして、“前の世界”で犯した過ちを繰り返さないために、“為直す”。


キリサキに続いて富士ミスにしてはかなりミステリーしてる作品。
魅せ方としては、終始謎のまま通すのではなく、ある程度先読みさせておいてどんでん返す類。
人によってはクライマックスで混乱するかも知れないけれど、きちんと説明があるから多分平気。
読後感に配慮したのかしないのか、前作より「良かったね」と頷ける終わり方になったことに好感。
尚、同じ人物・同じ場所も出てくるものの、キリサキの続編ではない*1。喩えるなら小説『R.O.D』とOVAR.O.D』みたいなパラレル?
なわけで、あえて『キリサキ』から入る必要はない。こちらを先に読んで後からキリサキでも問題なし。

*1:著者曰く「『キリサキ』の雰囲気を持ったまったく新しい作品を。というスタンスで書いた『キリサキ』みたいなもの