クリスタルサイレンス 下

クリスタルサイレンス〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

クリスタルサイレンス〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

はじめに、火星を舞台にしたSFを期待して買う場合は注意が必要、と言っておく。
俺はそれを期待して買い、自分の過ちに気づいた人間です(立ち読みしないことが災い)。
どう注意なのかと言えば、ストーリーの半分以上を占める話の舞台が火星ではなく、ネットワーク上の仮想現実だという点。
サイエンスフィクションの中から更に分類するならサイバーフィクションってところ?


それは良いとしても、如何せん状況説明・用語解説に力を入れすぎ。
どうしても必要なものだとしても、もう少しなんとかならんかったの?
そんなのばっかり延々と繰り返されてるもんだから辟易してしまって、人間ドラマの方までどうでも良くなってしまう二重苦。
不躾にも「お前の脳内論文が読みたいんじゃない」と著者に言ってやりたくなった。
ハードSFは滅多に読まないけれど、SFってみんなこんなものなのかな。
まがりなりにも「ベストSF1999第一位」とあるくらいだから、俺の尺度が狂ってる可能性も否定できない。
まぁ、そんな俺でも『復活の地』は相当に面白かったし…。