灼眼のシャナ １２

灼眼のシャナ〈12〉 (電撃文庫)

名前だけはかなり序盤から出ていた人物が表舞台に登場。
その人物を中心として事態は混迷の様相を呈する。
波乱→静寂→再波乱てことで、ここ数巻は番外入ったり、だらだらぐだぐだしてるせいで飽いてきた所だったこともあり、今回は忙しくも面白かった。
話の方は中心となる人物が悲痛な境遇で、主役サイドの視点で見ていたのを相手サイドに置き換えてみると、主役サイドが何気に残酷に映る。
また、今まで立ち位置に違いがなく“頭数だけ”だった佐藤と田中に大きな転換点が到来。
それぞれ全く別の道を進むことになりそう。
不満点はまぁ…、もはや毎度のこととなりつつある話が佳境に入った所でぶった切って「ハイ、お楽しみは次巻」なこと。
しかも次巻は著者の都合でいつになく遅延するらしい。
部数に影響するわけでもなし、不定期刊行で年に1･2冊な小説にこの手法を用いるのは編集（或いは著者）の独りよがりな気が…。
もうひとつに、相変わらずシャナと一美の心の有り様がどうにも理屈くさく、男が妄想した女の子の気持ちって感が漂いすぎていまいち。
これも今に始まったことじゃないけど。