図書館戦争
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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メディア良化法なる法案が可決成立して30年余り。
あらゆる図書が国家権力の監視下に置かれ、検閲・発禁・押収・処分いかなる規制をも無条件に受けている。
その情勢下にあって、唯一法的に独立して本を“護る”権限を有するのが図書隊である。
今、本を巡る戦いが繰り広げられる!
塩の街→空の中→海の底ときて、次はどんなタイトルかと期待したんだけどなぁ(笑)。紙の上…じゃ駄目だ、まあ仕方ない。
さておき、今回は様々な点で過去の作品とは異なる(※塩の街は未読です。買ってあるんでそのうち読みます)。
1:陸海空自が出てこない
2:クリーチャー的な空想上の敵はいない
3:クライシスものではない
ざっとこんな所が目に付いたけれど、自衛隊が出てこないだけで、軍隊が主軸にはなっている。要は自衛権を行使する主体が自衛隊じゃないだけ。
ただ、クライシスものじゃないので戦闘色は薄く戦闘シーンもあまりなく、繰り広げられている戦いにしても、戦争というより図書館抗争ってカンジ。
じゃあ何がメインかというと、今回は色恋沙汰?もう少し的確に言えば、人間模様*1。
なわけで、↑の斜体部分であんなこと書いておきながら、実際は本を巡る戦いはちょこっとだったりして、
新兵(女性)の成長過程を書いたものといった方がまだしも近い。
といった具合の本書だけれども、掛け合いの面白さ・心憎い演出は健在で厚さも何のそので読み終わり。いやー、楽しかったな、と。
まあ、先進国が30年もこんなことで内紛してたら諸外国からどうみられるのか…っていうツッコミはそもそもが超設定だから置いておく(笑)。
*1:著者曰く月9をイメージしましたとのこと