ヴァンパイア十字界 6

ブリジットの過去語り途中で終わった5巻からの流れを引き継いでの6巻。
過去語りによってある程度伏線の回収が進むだろうと期待し、実際回収されたと言えるけれど、別の所で伏線張られて結局謎が増えただけな気も。
まあ、城平さん原作の作品はいつもこんなだから今更気にはならんけど。
ともあれ、半分ほどが過去話なため事態の進展はほとんどなし。収穫は黒鳥誕生の経緯かな。
ただ、折角の黒鳥誕生も演出というか表現が稚拙で、「苦悩の末の苦渋の決断によって生まれた」感じを伝え切れてない。
これも城平作品に散見されることで、どうにも苦しみ・怒り・悲しみ辺りのマイナス感情の表現が安っぽいのがどうにもなぁ、と。
ついでに、もう6巻だと言うのに作画の方に進歩が見られないのが…。
相変わらず所々で真に迫る一枚画が光ってはいて結構なことだが、エフェクトや立体物の表現がのっぺりして二次元っぽくていかん。
この絵と心理描写両面での安っぽさが排除できればもっと深みのあるものになりそうなんだけど…。