Sweet Blue Age

Sweet Blue Age

Sweet Blue Age

短いもので22頁、長いものでも70頁ほどの7名の作家からなる短編オムニバス。
テーマは青春文学。
「青春」の捉え方は各人違いがあるわけで、この本にも「青春」てフレーズからまず真っ先に浮かぶイメージとは異なる風合いの作品も収録されている。
要するに、内容は色恋沙汰に限らないし、男しか出てこない作品もあるわけ。
というわけで、文体も内容もバラエティに富んでいてかなり楽しめる仕上がり具合。
7名の作家の単独作を全て読破してでもない限り、「あ、この人の書く話面白い」とか新しい発見もあって良い。
実際俺も、坂木司さんの他作品に手を出してみようと思ったわけで。
まあ、せいぜいケチつけるとしたら、『野生時代』掲載作を収録しただけで書き下ろしがないことと、装丁がハードカバーじゃないことくらい。
ただ、それにしたって内容と値段からすれば、お買い得感が薄れることはないと思う。


ちなみに、有川さんの短編はあの『海の底』関連作品だったりします(こと恋愛って要素だけで言えば本編を凌ぐ良作)。
どう繋がってくるのかはネタバレにとも言えるので差し控え。