エンジェル・ウィスパー

エンジェル・ウィスパー

エンジェル・ウィスパー

エンジェル・ウィスパーという単語を残し弟が失踪した。
たったひとつのキーワードが家族を巻き込んでの大きな事態へと発展するミステリー。
オカルトでSF的でありながらも、地方特有の伝統因習を背景にした物語が巧みに構築されていて読み応えはなかなか。
ただどうだろう。終盤にむけて折角分量をさいて粛々と積んできたものがあるのに、終盤なし崩し的に駆け抜けて、はいお終いってなるのは良いのか悪いのか。
あまり感情移入できなかったのも気になる所。
まあ、これは俺が弟を持たず、むしろ自分が弟であるが故に実感しにくかっただけかも知れず、テキストの問題なのか定かではない。
全体としては、面白いがどこか盛り上がりに欠けた。


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