死がふたりを分かつまで 1 

一話目を読んだだけで、これはとんだ掘り出しモンを見つけたと確信した!
しかし発売は去年の12月。5ヶ月も気づかずにスルーしてたとは、あぁ勿体無い。


原作者はスプリガンたかしげ宙さんで、超科学の“何でも切れる刀”を振るう盲目の男 土方 の現代版座頭市ともいえる刀剣アクション。一部レオンの要素もあるな、うん。
但しアクション主体のバトル物ではなく、ストーリーもなかなかに良好。
同じたかしげさん原作で連載中の『緑の王』も読んでるが、正直同じ人が原作とは思えん…。あっちの出来と比較にならない。
とりわけ、後々そうなるとはいえ、護る男と護られる少女の関係から起こり得るラブロマンスに安易に走らないのが良い。
作画の方も無名の新人というわりに、人物・背景などの静的描写だけでなく素人目に見てコマの繋がり−動的描写−も良く、見ていて飽きさせない。
と、ここまで書いた所で1巻恒例ともいえるあらすじ紹介をしたいが、「このコは何なんだろ」「土方って何者?」といった一話目での疑問を埋めていく過程の楽しみを奪ってしまうから、以下はステルスに。
不完全ながら予知能力を持つ少女 遠山遥 は、その力が故に利用せんとする者達に狙われることになる。
その彼女が助けを求めた男こそ、盲目の斬鉄剣使い 土方護 彼は犯罪被害者ネットワークが立ち上げた自警団組織における実動員であった。
両親を殺されたその境遇からも彼女の身柄は一時彼らで保護することとなり、彼女の力を借りてテロなどの犯罪阻止を計ろうとする。

カタブツ土方のサポートにつく技術屋井川がチャラい男で凸凹コンビ。
裏を賑わし始めた“謎の刀使い”にアタリをつけ、尻尾を掴もうとする刑事の登場。などなど王道ではあるも話を面白くする基盤が十分な状態。
これはハリウッドのB級にみられるような定番物と侮るわけにはいかん。来月発売の2巻が楽しみ楽しみ。
それにしても、『BAMBOO BLADE』は面白いわこれも面白いわで、出だしの売上不振が散々な言われようだったヤングガンガンも侮れないね。