冷たい指の手品師

冷たい指の手品師 (ヴィレッジブックス)

冷たい指の手品師 (ヴィレッジブックス)


これは良いスリラーやね。
今までこういったジャンルの作品を読むことはなかったけど、店頭でみかけて何となく購入。
初体験の印象が良かったので今後も食指を伸ばそうか、そう思わせてくれるだけの充実っぷりだった。


噂だけが一人歩きする姿無き連続児童誘拐犯“マジシャン”
数日数週間といった期間ではなく、とある後ろ盾のもと判る限りで20年にも及ぶ歳月をかけて幾人もの子供を連れ去っていった者。
連れ去られた子供に待ち受ける運命は…。
そして今、新たな誘拐事件が起こり、直感型FBI捜査官アレックがその捜査へと乗り出した。
同じ時、別の場所ではかつて妹を“マジシャン”に連れ去られ心に深い傷跡を残すCIA工作員エリンが思いもかけず“マジシャン”に遭遇する!
姿なき“マジシャン”の影を求めるアレックと“マジシャン”の実態を知るエリンが出会った時、事件は解決への道へ歩みだす。



見えざる敵、見えが触れることのできぬ敵、彼らの悪事を暴き、己が復讐を果たすために戦う女性エリンが主役。
人物の機微、その精神構造の表現は緻密というべき精巧なるもの。
また、交わるはずのなかった糸が交わるまでの過程、その先の道程、段階を踏んで進んでいくストーリーにワクワクドキドキ。
いやぁ、本当に面白かった。米国の連ドラにでもなりそうな物語だった。