狼と香辛料 3

狼と香辛料 (3) (電撃文庫)

狼と香辛料 (3) (電撃文庫)

 2巻の感想はこっち

  • ウルスパ*13巻の“ココにジンときた :「あ、諦めるのですか」(308頁)、「店主、これも売りじゃ」(315頁)

  憔悴しきったロレンスに浴びせられた魂の一言(前者)、そして立ち直ったロレンスに与えられたこれ以上ない一言(後者、ネタバレ回避策が施されてます)
ちなみに、LOVEアイコンが2つあるのは「ホロとロレンス」の他に「ロレンスと商売仲間」の友愛もみられ、それぞれ別の物として勘定した結果です。
266頁からのそれなんかは上述の名シーンに挙げても良い程に個人的には気に入ってたりします。


さて、ではのっけにまず一言叫ばせてもらいます。
「(まだ2ヶ月あるけど)コレが今年の最高傑作だーー!!」
すごい、すごい良かった本当に…感極まるくらいに良かった。
前二作も十分良かったけど、この三作目は今までの比じゃないとそう思った。
 ホロとふたりは楽しいなぁ♪(山)→ピンチだロレンス!(谷)→めだたしめでたし(山)
お定まりともいえるこの展開も、前巻までの経緯を踏まえた上で繰り広げられる今回のそれは、エンターテイメントとして文句なしの絶品。
何がって、これまでも窮地に立たされる度に乗り越えてきたロレンスだけど、今回ぶつかるのは精神的な窮地。
やっぱり人である以上物理的な困難より精神的なそれの方が辛いわけで、読んでるこっちまで思わず眉間に皺を寄せて「うぬぬ…」となってしまう始末。
その上、前回まで当たり前のようにホロの助力を得て、半ば「すべてホロのおかげ」で事態を解決してきたのに、今回はそのホロの助力が一切得られない状況。
そりゃあもう、キツくないわけがない。
それでもってその谷底から這い上がってハッピーエンドになるのだから、読んでて気持ちが高揚してこない方がおかしいというもの。
作中でホロと共に居る時間が少ないため、いつもの夫婦漫才的なロレンスが手玉に取られるおもしろ掛け合いは俄然少ないけれど、それを差っ引いてもシリーズ最高作。
なーんかもう、4巻に並々ならぬ期待が溢れてくるよー(笑)。

*1:狼と香辛料の略称のつもり wolf and spice、略してウルスパ 流行れw