シゴフミ〜Stories of Last Letter〜
シゴフミ―Stories of Last Letter (電撃文庫)
- 作者: 雨宮諒,ポコ,湯澤友楼
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/10
- メディア: 文庫
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- シゴフミの“ココにジンときた” :父の遺した言葉「フェンシングは、楽しいか?」(255頁)
想いを遺して逝った人が、大切な人に宛てて書いた死後の手紙─シゴフミ─を届ける配達員。
手紙を預かり、届ける…本当は、ただそれだけの仕事。
でも、そんな業務の枠を超えて、たとえスケジュールが押していようと死者と現世に残る者に関わらずにはいられない心優しき配達員 文伽。
これは彼女が見届けた人たちの悲しくもあたたかな物語。
届けます、あなたが遺したLast letter.もう、届かないはずだった言葉を…。
無愛想というか無表情な配達員の少女と、人語を介す─ようするにしゃべる─××のふたりが手紙を託す人、託された人に“介入”する話。
うーんまあ、語弊を承知でたとえるなら『しにがみのバラッド。』の死んだ後ver. アフターケア版みたいなもの。
内容は3話から成っていて、それぞれがちょっと切なくてホロリとくるストーリーばかり。
そして、とにかく寡黙で必要以上に深入りせず、そっと傍で見守るだけというのが文伽の基本スタンスなため、必然的に話は各話の登場人物が中心となる。
『しにがみのバラッド。』でもそうだった「非現実的な存在が主役ではあるけれど、物語の中心になるのは現実を生きる人たち」やはりこれが結構いいカンジ。
他にも、各話の順序というか組み立てもかなり素敵。
まさにアン・ドゥ・トロワ!ってなもんやねぇ。
まあ、ゆーても正直な所“アン”にあたる「飛べない蝶」はいまいち感情が入っていけなくてそれほど良いとは思えなかった。
が、しかし「終わり良ければ全て良し」の格言よろしく、トロワで見事にやられたな、と。
イラストの方は残念ながら、表紙は気合入ってますが中は…のパターン。
こんな良いシーンなのに添えてある絵はこれか、惜しいなぁと思うこともしばしば、うーむ。
尚、2巻の刊行が既に決定していて、予定では来年の2月。
雨宮さんが締め切りをぶっちしないことを願いつつ2巻を待とう、そう思える作品でした。