キノの旅 10

キノの旅〈10〉the Beautiful World (電撃文庫)

キノの旅〈10〉the Beautiful World (電撃文庫)

ちょっと
久しぶりの新刊。
ブラックなユーモアをはらんだこの独特な作風はやはり他にはない面白さだよねー。
面白くて笑う顔がひきつるというか、苦笑いが浮かぶほどにシニカルな内容が一部含まれるのも『キノの旅』ならでは。
今回は約270頁のうち170頁ほどを占める長編1作と、わずか4頁なものを含めた短編5作に口絵文やプロローグb・aなどの+αを加えた構成。
長編はキノを脇役に、とある国の住人を主役とした物語。
かなり良い話で、珍しく?悲劇性に乏しい長編なんじゃないかと。
短編5作は例によってさらっとヘンテコな国を見せてくれる。
うちひとつはティーが言葉を発する場面が多く、ちょっとした一面がみられるという物。
例によってといえば、今回も誤植がちらほら。
時雨沢さんの誤字が多すぎてカバーし切れないのか、担当編集がアカンのか、たまたま『キノの旅』の校正を担当する人に限って見落としが多いのか。
これらのどれが原因なのか或いはどれも原因なのかはわからんけど、人名の誤りまであったり…。
一箇所だけ「エリアス」って男性が「エアリス」って女性名になってて、どこのFF7?みたいな。
毎回こうも誤植があると、そのうちない方が違和感覚えるかも知れないってのも何だか面白いけど(笑)。
兎にも角にも、今回は長編の出来が良く全体の印象がかなり良い。
来年中に11巻もよろしくお願いします。