GOSICK 6


-GOSICK6巻の“ココがシビれる” :走行列車の屋根を疾走し、ヴィクトリカの元へ駆けつける一弥(68〜70頁)
勇気と決断力、そして行動力。ああ見えてほんと頼もしい男の子だよねぇ。
実はもっと良いシーン、ヴィクトリカが「一弥のことをどう思っているか」を言葉にするシーンがあります。
かつて2巻で、占いの時に「一弥とずっと一緒に居られるか」と訊いたシーンはありましたが、もっと直接的にはっきりと一弥についてヴィクトリカが何かを言ったことはなかったと思うんですよね。
それだけに並々ならぬ重みある言葉だなぁ、と思ったわけですが、ここで明かしてしまうと勿体ないので自重します。
必見です(該当は219頁)。


前巻『ベルゼブブの頭蓋』の後編。
帰りの列車の中で“形見箱”を巡る事件が起こり、それをヴィクトリカが知恵の泉を再構成して解決する流れ。
久しぶり?によくある推理物的な展開の巻です(推理小説としての奥行きはありませんが)。
全体の印象としてはこれの前に発売されて読んだのが番外短編集の『GOSICK s2』だからかも知れませんが、一弥とヴィクトリカの漫才的掛け合いなどのコミカルな要素が少なく、キリリと締まったシリアスな調子がいつも以上に感じられました。
とりわけ、犯人が「何を思い、何の為に他人を手にかけたのか」
そして、それを受けての解決後の流れが今までになく人間的・情愛に溢れる感じなのが非常に乙。
巻を追うごとに深まる一弥とヴィクトリカの結束や表立って表れずとも確かにそこにある“互いに寄せる信頼”など、ただ面白いだけではないGOSICKならではの魅力を久々に堪能したなぁ、とそんな感じ。