咲-Saki- 1

咲 Saki (1) (ヤングガンガンコミックス)

咲 Saki (1) (ヤングガンガンコミックス)

話題?の美少女麻雀漫画の第1巻を読んでみました。
今よりもっと麻雀が一般的で広く普及していて、全国津々浦々どの高校にも必ずといって良い程“麻雀部”があるような世界のお話。
幼少の頃より家族麻雀でお年玉を巻き上げられ、負けない麻雀を身に着けた少女─宮永咲
麻雀に良い思いがなく、また家族としか麻雀を打ったことのない彼女。
対して、麻雀にすべてを賭け、また全国屈指の己が腕に自信をもつ少女─原村和(のどか)─。
咲が同級生に連れられ初めて他人…和と麻雀を打ったその時、ふたりの物語は始まった。

とか何とか、裏表紙の「互いの生き様が交わる時、熱き物語の幕が上がる──!!」というあらすじを受けて大層なことを書いてみました。
が、実際はそう大層なものでもなく、咲は成り行きで家族以外と、それも“勝っても良い”麻雀を打って麻雀の楽しさを。
和は逆に、自分より強い相手に屈辱的な打ち方をされて悔しさを。
お互い初めての経験を通して良きライバル・友人となり、その後は部を挙げて全国高校生麻雀大会(インターハイ)に挑もうや、という話。
また、咲と和それぞれに家庭の事情などの背景があり、ストーリーに奥行きを持たせてあります。
とはいえ、麻雀漫画としては福本伸行さんの『アカギ』などの先達が居るわけで、それと比較すると正直微妙。
というのも、あまり他作品との比較はすべきではないんですけど、『アカギ』の読んでるこっちにまで伝わってくる様な緊迫感や迫力に欠けている観が否めないからっすね。
麻雀漫画はやはりどうしても、強運とあり得ない手・アガリが魅せる迫力や手に汗握る展開が肝なので…。
そういう意味では純粋な麻雀漫画としてよりも、麻雀を絡めた部活モノ・青春モノとして捉えた方が良い所が引き立つかも。
あえて麻雀とそぐわない女の子ばかり登場する作品にしたのも既存の麻雀漫画には付かない読者層をターゲットに裾野を広げる狙いだろうし、内容の方も同様に取っ付き易くしてあるんだと思います。
ただ、話の方はそれで良いとしても、麻雀のルール・用語に関しての敷居はそれほど低くなってないかな、と。
一応枠外に用語解説なども入ってますが、基本的なルールの説明が作中でされるわけでもないので、注釈に使われてる用語が解らないとそもそも解説そのものが理解できないでしょうし…。
(英語が解らないと英英辞典を引いても理解不能なのと同じですね(ノ∀`))
ちなみに、絵は悪くはないですがあまり巧いともいえません。
『FATALIZER』の頃から進歩なしっす。