パズル 上

パズル 上 (角川コミックス・エース 112-6)

パズル 上 (角川コミックス・エース 112-6)


同名小説『パズル』を作画に三部けいさんを迎えて漫画した作品。
但し、内容は原作とは違い、帯にも「原作とは全く異なる展開!!」と煽りが入っている。


突然占拠された学校。
あるクラスの生徒を残し、退去させられる生徒職員。
犯人グループから持ちかけられる謎のゲーム。
「この教師を救いたければ校内に散りばめられた二千のピースを集めてパズルを完成させること。制限時間は…48時間。」



概要はこれだけの極めて単純な設定。
細かい部分では、

  • 残されたクラスとは、舞台となる全国切っての超がつく進学校でも更に特別なクラス─3-A
  • 人質になったのは、生徒を成績順に序列化するというそのクラスの「特別な教育方針」を象徴する教師
  • ゲームの参加は任意。不参加、リタイアは自由。
  • 犯人の動機は?目的は?そして、ゲームクリアの先に待つのは?

といったような所。


原作を読んだ事がないのでどこがどう違うのかは分かりませんが、緻密に組まれたストーリーには程よいサスペンス感を味わえますし、ミステリーの要素も含んでいるのが面白い。
またその謎解きに関しても、はなっから簡単に推測できるようなものと現時点では分かり様もない事が適度に織り交ぜられていて、段階的に霧が晴れていく感じがうまく演出されていると思います。


ただ、惜しむらくは上中下なのか上下なのかは定かではありませんが、如何せん巻数が限られている関係からやや駆け足な印象が否めない。
順を追って進展するストーリーが、トントン拍子になってしまっています。
尚、画の方は実績と画力に定評のある三部さんということもあり、特に不満も不安もない良い仕上がりになっているのではないかと。