PandoraHearts 3
Pandora Hearts 3 (Gファンタジーコミックス)
- 作者: 望月淳
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2007/07/27
- メディア: コミック
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- ココにどんより :「悪かったなオレのせいで。大丈夫か?」(38頁)
あんなにも酷い仕打ちを受けたのに、マスター…貴方は何故そんな顔でそんなことを言うのですか。
うむぅ、これは深い藪ですねー。
最初、どうせ浅いだろうと思って踏み入って行ったら思いもかけない深さに驚かされています。
くるぶしからせいぜい膝くらいまでと踏んでいたのに腰上の高さまであるなんて…。
と、のっけから妙な話をしていますが、ここでいう藪=ストーリー。
ほんと、巻を重ねるごとに思っていた以上に奥の深い物語が繰り出されてくるのでビックリしてます。
最初はもっとこう、オズが契約してしまった悪魔アリスの力とオズが内に秘めている何かを巡ってドンパチしつつ、人に馴れ合わないアリスと段々親密になっていったりするだけのありきたりな話だと想像していたのですが…。
ぜんっぜんちげぇし、俺!
張られる伏線が多いせいもあるのでしょうが、いまや初期の「オズが鍵でどうたらこうたら」という設定忘れてもっと別の所に惹き込まれてます。
前回「アヴィスの意志から問われたことで、オズが“アリスに近しい感覚を感じていた”ことを自覚した」ところがありましたが、この時のアヴィスの言葉がさりげなく伏線化。
それを今回、何故オズがアリスに同調したのかをオズの過去を描く事で回収。
そして同時にその一件に関わっていた子供の頃のギルが、如何にしてパンドラという組織に加わることになったのか、この二つが3巻を大きく支配。
内容そのものに関しては別段奇抜であったり斬新だったりするわけではありませんが、この一連の物語が奥深くてとても良い感じ。
そのほか、やはりこれも前回終盤にほんのひとコマ(だったかな?)だけ出てきた髪の短い女の子*1が再登場。
この子と遭遇したことをきっかけにして展開する話の流れの中で、キーワードのひとつである“ナイトレイ家”がどういったものなのかが少し見えてきます。
2巻の時に「散りばめられたピースが何を形作るのか興味深い」というようなことを書きましたが、巻数が増える事にそれがますます強まりますねー。
そもそもオズ自身に「〜〜を倒す」「○○を救いたい」「××を探している」etc...の「これがしたい」といった確たる目的がないことが、物語をこういったものにさせているのでしょうけど、本当にどうなるのかなぁ、これ。
4巻も早めによろしくです。
*1:オズが気を失う直前に見上げる形で目にしたあの子です