マテリアルパズル 3・4

  • ココにグッときた :ティトォのやさしさに報いるリュシカの優しい笑顔「だってあなたはあたしを守ってくれました」(3巻122頁)
  • ココにジンときた :ミカゼ「もうきっと罪人なんかじゃない。この大地の守り神だ。」(4巻123頁)

ちきしょー、どいつもこいつも心の琴線奏ですぎですぜぇ。


2巻から1週間以上間が空いてしまいました。


守りから攻めに転ずる決意を固めたティトォ達。
決意を胸に、本来無関係であるミカゼを残し魔法王国メモリアの大陸へと渡る。
しかし、行く手にはアダラパタの指令を受けた三十指が先回りをしていた。
そして、残されたミカゼは彼らの後を追う。



新大陸です。
新キャラもたくさん登場してきます。
※上述の三十指というのはティトォらの不死の力を狙う“女神”なる人物の配下にある魔法使い達のこと。
 総数はその名の示す通りに30人。
 2巻までで登場したアダラパタとアビャクもその内の2人でした。
 尚、30人はそれぞれ世界各地でバラバラに活動しており、中には女神の目的すら碌に知らされていない者もおり、行動と目的が統一された集団とは大いに異なる模様。
 どころか、中には女神の妨げになるようなことまでしている者まで居る始末。
 なかなかに面白い設定です。

てゆーかリュシカって三十指だったんですねー。
僕が雑誌で一時期読んでた頃には既に仲間であることが当たり前のコだったんで、こんな成り行きがあったとは露知らず。
いやぁ、しかしふわふわしてて(別に羽で飛ぶ魔法を使うこととかけてないです)なーんか良い感じのコですよねー。
リュシカを見てるとなんか和みます。


物語は3巻が主にリュシカと出逢いアダラパタと遭遇し、彼らとの会話を通してティトォが、というより読者が新たな事実を知るってな具合です。
さきほどの三十指のこともそうですし、三十指の使命もここで明らかにされています。
それらは、資金集め・五大石の収集・最強剣命七乱月の発見、そしてティトォ達に秘められた力を奪うこと。
(固有名詞に関する詳細まではまだ言及されていません)
中でも一番重要だと思うのは、ティトォ達は実はただ逃げ隠れていたのではなく女神ことグリ・ムリ・アが彼らの力を狙っていずれ仕掛けてくることを想定しており、それに対抗する術を長い年月かけて用意していたということ。
女神もどこからかティトォらのことを嗅ぎ付けて彼らを狙い出したのではなく、「100年前のあの時」からの宿命的な相手らしいです。


でもって4巻では、一大教団を立ち上げ金を巻き上げて使命のひとつである資金集めしている三十指を倒しにいく、と言う別の三十指に「旅費がない!」というしょーもない事情から同行し戦う話が丸1冊分描かれるバトルメインの巻。
しかしここでもティトォが語った事の他に、相手の三十指から語られる形でまた過去の秘密の一部が紐解かれるようになっています。


この辺りの霞みだらけのティトォ達の過去が、徐々に徐々に晴れていくっていう気長で奥深いストーリー性がこの作品の良さの肝とも言えるかも。
また、それに伴って以前まで与えられていた情報から立てていた憶測が、新情報によって誤りや勘違いであったと気付かされる意外性も面白さのひとつだと思います。
ただの少年漫画のようで、それだけじゃない独特の味がありますね。