CLANNAD 第9話「夢の最後まで」

クラナド風子編(ということでいいのかな?)堂々のフィナーレ。
澄み渡った大空のように晴れやかな最後でした。
まさに、感動モノ。


というわけで、4話以来となるクラナドレビュー。
奇しくも演劇部の話が一時中断して物語が風子中心となったのが5話から。
5話の時点ではまだ自分の中で「そんなオカルトじみた超常現象を受け入れろって言われても…」と、否定的な目があったのも事実。
でも、回を重ねるごとにそんなことがどうでも良くなっていきました。


子供のような純粋さで明るさを振りまく風子。
そんな風子によって華やぐ岡崎の学校生活。
しかし、そこへ投じられた一石が暗い陰を落とす…。
姉の公子には思念体?の風子の存在が認識されていないらしい。
それでも、直接目には映らなくとも姉のためにできることがあるからと、彫刻を彫って生徒に渡して回り姉の結婚式に参列してもらうようはたらきかけ続ける風子。
岡崎や渚、渚の両親も手伝い配る彫刻の数は増え、受け取る生徒も増えきた矢先にまたしても告げられる悲しい現実。
風子はもう、目を覚まさないだろう。
この事実の前に愕然となる岡崎と渚。
そして、この時を境に校内で風子に取り合う人が日に日に減っていった。
いや、相手にしないのではない。
そこに居ることに、公子と同様気づかないのだ。
更に、見えない人の中では風子は初めから居なかったことになり、彫刻のことも、結婚式のことも何もかも記憶が欠落してしまっていた。
「このまま俺たちも忘れてしまうのか」
そんな漠然とした不安と恐怖を抱えながら、式までの残り僅かの日々を焦る…。


と、ここまでが8話。
(あれだけ内容のあるものをこれだけの文で要約するのはそもそも無理が…というのは文才ゼロの言い訳。それでも十分長い文だし…。)
兎に角もう持ち上げと突き落としの落差がきっついきつい。
すんなり幸せにはさせてくれないのか(つД`)と恨み言のひとつもこぼしたくなります。
もうね、7話で泣きそうになって8話でボロ泣き、9話も当然無理。
やられっぱなしでした(´;ω;`)


特に春原の使い方が憎い。
6話まで、というか7話以降も普段はアレですよ?星と誤解するならまだしも(俺もそうでした)、あのヒトデ彫刻を「手裏剣」言っちゃうような奴ですぜ?
その春原が7話8話であんなに苦しげで、どこか悲痛な表情を見せるだなんて思わなかったです。
そしてこの配役も見事であれば、作画の方も凄い。
一人の絵師がすべて自分で仕上げ、しかも一枚絵=イラストである漫画とかなら珍しくもないです。
ないですが、これはアニメ。
複数の人が何枚もの絵をおろして春原のあんな繊細な表情の変化をよく出せるな…と感心せずには。
(あと9話最後の公子のヴェールを風がサァーッと吹き抜けるシーンとか鳥肌モンっすね)
でもって脚本はクライマックスでヒトデの彫刻にこれ以上ない意味をもたせる神がかり的采配。
えぇえぇ、思いましたとも「あんなもん配って招待してどうすんだよ」と。思いましたさ、そりゃあ。
でもラストであれですから。
そりゃあ招待状とか具体的な文字によって忘れさせなかったり強制的に思い出させるんじゃなく、渡された人が自発的に思い出すにはああいった見て思い出すきっかけとなる“形あるモノ”じゃないとダメっすよね。
巧いです。巧すぎです。
この数週間、絵とか話とか演出とかBGMとかありとあらゆる所で感動させられてた気がします。


ふー、ちょっと一息。
いやー、久しぶりにただおもしろいだけじゃないイイもん見させてもらった気分で胸いっぱいです。
クラナドで初めてkey作品に触れてみたのですが、なるほど、熱心なファンを掴んでいるのも納得。
とても心穏やかでキレイな物語をありがとうございます(*´Д`*)
と、誰にともなく感謝の言葉を。