ドロテア〜魔女の鉄槌〜 5

ドロテア?魔女の鉄鎚 5 (角川コミックス ドラゴンJr. 93-5)

ドロテア?魔女の鉄鎚 5 (角川コミックス ドラゴンJr. 93-5)


・今回の名場面:「これは私に残された最後の幸運。あなたに託します。」から巻末までの離別シーン(187頁〜)


すっかり雷鎚団での足場を固めた観のあるドロテア。
彼女が振るう剣のみならず、彼女の存在がフラッグシップとして雷鎚団に欠かせないものとなりつつあった。
しかし、「魔女」に降りかかる災難が止むことはなく、彼女はまたもその身を・立場を脅かされる。
これまで以上の危難によって…。



激動の5巻です。
アントン経由で“証拠”を手にしたコンラートによって遂に名指しで告発を受けるドロテア。
一方で外圧のみならず、ばあばの拘束により内部からの崩壊の危機に瀕するナウダースも大変なことに。
魔女を擁する一団として、雷鎚団も大変なことになってるからその場をほっぽりだして故郷に飛んでいくわけにもいかないわでドロテア大忙し。
体は元より気の休まるところがない状態ですね。
そしてそんな時に肝心のギュルクは傍にいない、と。


てなわけで、精神的に参りそうになるドロテア。
しかし、ギュルクではないとある人からの信頼と励ましの言葉で意志を強く保ち、エムス領内を突っ切っての強行軍によるナウダースへの援軍に臨むのですが…。
まあ、そう簡単にはいくわけがないっつー話です。


今回は砦攻めと、その後の強行軍での敵軍との接触があり戦闘描写が豊富。
そして基本はやはりドロテアの個人戦が中心なのですが、後半の行軍中の戦闘では個人的に待望していた「軍勢としての」戦術や兵法が絡んだ展開がわずかながらあります。
キーワードは待ち伏せ・伏兵、そして傭兵。
5巻の帯ではあの『ロードス島戦記』の著者である水野さんからの推薦も頂いていますが、今回はかなり目が離せない展開になっていて、すごく良いっすよー。