とらドラ! 6

とらドラ! (6) (電撃文庫 た 20-9)

とらドラ! (6) (電撃文庫 た 20-9)

  • 今回の名場面:「私は……私は、ウソは、つかないっ!だから……言わないんだっ!」 から──狩野すみれが、まだたった十八のガキでしかないことに、どうして今まで気づかなかったんだろう。 まで(278〜279頁)



これだーーー!
わたしたちの田村くん』で魅了されて以降、竹宮ゆゆこという書き手に俺が求めていたのは、まさに!この!6巻のような!どうしようもないほど感情任せの青春小説!
理屈じゃねーし!だってガキだし!悩みもすれば、迷惑だってかけまくるさ!
ちょっと飽きてきていた4巻→5巻での興奮→6巻で昇天
最高傑作級ーーー!


さて。
えーと、もう正直言って稚拙な自分があれこれ語ると、語るに落ちる気がして下手なことを言えない気分なので簡潔ズバッといきます。
(今回はあらすじも一切なし)
読まず嫌いだけはしないで下さい。
とらドラ侮るなかれ、「ラブコメ」と冠していてもラブコメに非ず。
もっと真摯に青春のど真ん中を生きる彼らの姿を見てやって欲しい。以上


本当に良い作品です。
基本的にノリがバカで地の文が時々ぶっとんでるのもエッセンスのひとつと思えばよし。
マジメな所ではきちんとそれに伴って地の文すらも折り目正しくなっています。
どうか拒否反応を示さず最後まで…1巻から6巻まで(笑)読んで下さい、いまがチャンスです(謎)。
女の子の主人公と男の子の主人公が、恋敵の登場などでフラフラしつつも結局はくっつくという王道ともありきたりとも言える「一般的なラブコメ」とは意を異なる作品になっていますし、そもそもこの6巻、終盤への収束・駆け抜けを考えるとやはりラブコメというよりはもっとマジメ?に青春小説していると思います。


と、何だかんだで色々語っちゃいました。
この6巻で今まで結構好きだったすみれをすっかり嫌いになった自分が居て、その後で今まで以上に好きになった自分が居ます。
そして、北村も。


最後にくさい話をひとつ。
強く正しいアイツも、完璧超人なあの人も、結局所詮はどいつもこいつも俺と同じガキだった。
悩みもすれば立ち止まりもするし、挫けることもあれば、誰かの手を借りないと立ち上がれないことだってあるさ。
けれど、そうやってあがき苦しんで、正しいかどうかも分かっちゃいないまま、それでも自分で選んで自分で決めて、その道を自分の足で踏み出すしかない。
もしかしたらバカなお前よりもっと、どうしようもなくバカで仕方ない俺はその手助けをできないかも知れないけれど、でも見捨てたり見放したり置き去りにだけはしないから。
傍で、見ていてやるから。
だから負けんなよ。
立てよ、ちゃんと自分の足で…。

とらドラ6巻、寒空の広がるこの冬のイチバンです。
僕も、こんな青春したかった。