KNIGHTS 4

Knights 4 (電撃コミックス)

Knights 4 (電撃コミックス)

  • 今回の名場面:「……ごめん。……殺すよ、父さん……。」(173〜175頁)



激動の第4巻。
そして帯の推薦コメントに初めてまともな煽りをもらえたんじゃないでしょうか。
今回はアニメ監督前田真宏さんから「娘に萌えるな!男に燃えろ!!」とのお言葉。
前田さんがどういった方なのか存じませんが、なんといいコメント!


物語の最終局面を前にしてのクライマックス第一波、といった印象の今回。
通例、まず真っ先に序盤でのネタ明かしにもってくるであろう主人公ミストの背景─出生や過去、そして何故彼が魔女狩りを断行する教会に反抗する“聖なる者への鎚”の一員となったか─がここにきてようやく明かされます。
そして、この特殊な構成が良い方向にはたらいていると思います。
どうやら既に最終話の掲載月まで決まっているそうですし、あらかじめ大筋で連載の終了時期、ひいては物語の始まりから結末までの長さが出来上がっていた作品なのかも知れません。
(連載は08年4月号まで。コミックは5巻で完結。)


それゆえの完成度でしょうか、とにかくこの4巻は充実の内容。
ネタバレに抵触する部分が多くあまりあれこれ書けないのですが、無惨であり重苦しいながらも“従騎士ミスト”をより理解することができる意義のある話が展開されています。
更に巻末ではわずか数ページであっけない幕切れになったかと思いきや、とある人物の思いも寄らぬあまりにも予想外な行動で物語は急展開。
なにこの神展開、と言わざるを得ない。


商業的に“売り”の乏しくキャッチーさに欠けている作品なのか知名度が揮わない作品ですけれど、連載を進めながら創っていくタイプの作品とは異って、あらかじめ完結までの展開を丁寧に練り込んで最終話までを一気に書き上げる類の作品らしい“ブレ”のなさが秀逸です。
ニーナの出番が全然ないのは勿体ないですけど(笑)。