しおんの王 7

しおんの王(7) (アフタヌーンKC)

しおんの王(7) (アフタヌーンKC)

  • 今回の名場面:「もしかしたら、犯人を見つける手助けができるかもしれない」(105頁)



放送中のアニメしおんの王原作の最新刊。
対局中、しおんに言葉を投げかける悟。
そんな悟の言葉をきっかけに、8年前の核心たる記憶を取り戻したかに見える紫音。
そして、生涯初の弟子をとり棋界を驚かせる羽仁名人。
その弟子とは、斉藤歩その人。
揺らぐ記憶、揺れる棋界、まだ見ぬ真相。
果たして答えは、盤の上にあるのだろうか…。



今回は盤上の熱き戦いは前半まで。
中盤以降はメインの舞台がミステリーの方へ移ります。
さて、勝負の方はというと、紫音の負け(それも二度同じ相手に)という展開はまずあり得ないことからネタバレ扱いしませんが、紫音が勝ちます。
そして勝負が決するまでの過程、白熱する盤上の戦い、そして盤を飛び越えた精神的な駆け引きは大きな見所。
結果の見えた勝負でもこれだけ楽しめる好例なのではないかと思います。
尚、紫音が勝ったので前代未聞のこの棋戦の決勝カードは名人vs女流(中学生)というこれまた前代未聞の組み合わせとなりました。
さすがにここまでくるとフィクションでしかあり得ないトンデモな対決ですが、まあ、そこはそれとして公式・非公式ひっくるめて名人と初めての対局を迎える紫音を楽しみにしたい所です。


次に中盤以降のミステリー。
こちらもいよいよ核心へと迫り、悟の口からは予想外の考え(憶測)が告げられ「マジで!?」と思わずにはいられなかったです。
まさに超展開(容疑者の特徴などこれまでの情報を総合すると意外でも何でもないのかも知れませんが、それこそ「盲点」というやつだったのだと思います)。
同時に、ついに具体的に容疑者が絞られる所まできました。
ゴールはもはや目前、ここまできたら後は突っ切るだけって感じですね。


ちなみに、ラストの数ページだけですけど、この7巻で早くも決勝の火蓋が切って落とされていますから次の8巻で早々に決着がつくかも知れません。
また、6巻でも書いたようにやはり物語も終焉の色を濃くしてきています。
恐らく巻数が2桁に乗ることはないように思われます。
もしかすると次の8巻で完結するかも。
(となると、或いはアニメもオリジナルの結末ではなく原作と同じラストを迎えられるのかも…)