狼と香辛料 第十三幕「狼と新たな旅立ち」

   
レメリオ商会に罠に嵌められたロレンス。
そして、怒れる賢神ホロ。
その牙はすべてを食らい、その爪は彼らをなぎ払うかに思われた。
しかしロレンスは意外な提案をしてきて…。



はい、とゆーわけでレメリオ商会すらも谷底に突き落とさずに救助の手を差し伸べるという一部の隙もないハッピーエンド大団円を迎えた狼と香辛料最終話。
最後の方は若干急ぎ足になってしまい説明不足で置いてけぼりを食らった人が少なからず居るような気がしますが(;´ー`)
なので、一応今回も補足をしておきます。
の前に、解り難いといえばホロとノーラが対峙し、画面をセピア色にしてからの演出が若干不明瞭。
あれはセピア色になってからカラーに戻るまでの一部(といってもほとんど)がロレンスが想像した最悪の結果を映像化して再現したものという演出のはず。
実際にアレが起きたわけではもちろんないですし、ロレンスが幻覚をみたわけでもありません(あの演出だとそういう風に思えるし、もしかしたらアニメはそういうつもりでやったのかも知れませんけど)。
で、問題のどこからどこまでがロレンスの想像だったのかですが、あまり境目がハッキリしてません。
(セピアは全部想像、カラーだけが現実というわけではない)
そのため、実際の画面を見ながらでないとわかりにくいと思いますが、ノーラがエネクに指示を出してホロに立ち向かわせ、それを見たロレンスが止めに入ろうと走りながら何かを叫んだところまでは現実。
その後エネクが蹴散らされ、ノーラが食われた箇所はロレンスの想像。
その後の暗転してカラーに戻ってからは現実。


さて、話を戻しまして、ロレンスがノーラにした提案とその方法がもたらす結果については解り難いものではないと思います。
問題はロレンスがレメリオと交わした取引の構図。
まずロレンスは密輸した100リュミオーネ分の金をレメリオ商会に500で買ってもらいます。
が、もちろんなけなしの全財産をその金貨の買い付けに使ってしまっている商会にそんな現金はありません。
なので、先に現物である金を先渡しし、その支払いは何年かかけて徐々に支払う(=返済する)という形での決済をします。
ただ、この場合ロレンスの手元には最初の返済日まで一切の現金が入ってきません。
また、返済日になる度にレメリオ商会に取立てをしなければなりません。
更に、落ちぶれたとはいえ一商会であるレメリオ商会とそのような契約をしても反故(=踏み倒し)される危険性が高すぎます。
そこで、この借用契約の相手先をローエン商業組合に設定します。
すると、商会同士の契約であり、拘束力が強くなるためレメリオ商会も踏み倒しはできません。
また、ロレンスはこうやって契約させた貸し借りの契約書を売る*1ことで即金でお金を手にすることができる、というわけです。



と、説明してみてもやはり解り難いかも知れません。
説明が下手でごめんなさい_| ̄|○
少し乱暴な例えを使ってまとめると、

  • レメリオはロレンスから100万円の金を500万円で買わないといけない
  • 500万円を持っていないレメリオは将来500万になる絵画を代わりに渡す
  • ロレンスはすぐ現金が欲しいので100万円でローエン商業組合に絵画を売る
  • 組合は絵画の値上がりを待つ

これに近い図式です。
あとは最悪原作を読んで下さいと丸投げをするしかないです(笑)。
或いは、2ちゃんならばもっと説明上手な人が簡潔かつ明解なテンプレを作ってくれているかも知れないのでそちらを。


と、まあそんな感じでアニメにはない物事の作りの細かさや思索の深さが原作にはあります。
ロレンスがノーラを助けてくれとホロを説得する今回の場面でも、アニメでは表現し切れなかったロレンスの思索(=思考)の裏側なども小説では描かれていたりします。
興味をもたれた方には是非読んでみて欲しいです。
まあ、小説の挿絵ではあんな可愛いホロを見ることはできませんが。(つ∀`)゚。
この辺は逆にアニメの良さであり強みでもありました(*´ー`*)


ちなみに、リーベルトをのした後に一通り状況を伝えたノーラと一度別れてからの展開にアニメオリジナルの色が強かったです。
アニメではホロは酒場で留守番をしロレンスに同行していませんが、原作ではレメリオの元に半分脅しの交渉をしにいくのにも同行しています。
また、再度名前を呼んでみろ、とけしかけられたロレンスが鳴り響く時計台の鐘の音で誤魔化すあの流れに関しては、改変ではなく小説にはないシーンでした。
ラストに関しては原作と違いはさほどありません。
いつでも2期始められるよ(`・ω・´)という感じなのは原作が2巻以降も続いているので元から。
またいつかアニメのロレンスとホロに会えることに期待しましょう(*´∀`*)

*1:何年かかけて段階的に返済される「500リュミオーネ貸している」という証拠を100とか150で売るということです。個人にとっては、特にいま現金のないロレンスにとっては10年先の500よりもいまの100の方が大事であるのと同時に、組合ほどの大きな組織ともなると将来500の価値になるものをいま100で買う事にメリットがある。但し、返済し切る前に相手が倒産する可能性もあるので300や400ではなく100とか150。