ひとひら 5

ひとひら 5 (5) (アクションコミックス)

ひとひら 5 (5) (アクションコミックス)

研究会が無くなり一時は演劇から離れたが、裏方として少しでも演劇に関わろうと演劇部に入部した麦。
しかし、そこへ舞い込んだ人数不足の問題。
結局半ば流されるようにして再び舞台に立つ事になったのだが、いざ舞台に立ってみると込み上げる実感があり…。



1年弱ぶり、久しぶりの新刊。
新歓再公演に役者として参加し、その事でまた演劇の楽しさを再確認した麦は次の舞台も役者をやる事を決意しました。
が、やっぱり生来の性格かまたしても後ろ向きに物事を考えてしまってプチ挫折。
そしてこれまで勇気づけてくれた親友の佳代はもう居ないわけですが、それでもこれもやっぱりいつものように別の人から力をもらって克服。


といった具合に、麦は障害をひとつずつ乗り越えて成長していっています。
なんのかんので順風満帆。
(作者もあとがきで思った以上に麦が成長している!と)
じゃあ何事もつつがなく進行しているのかと言うと、そうでもなく。
この巻ではちとせ、それからきょーちゃんこと武田の雲行きがなにやらよろしくなく…。
ちとせは大きな挫折を、武田は何か隠し事がありその事で思い悩んでいるようです。
物語はこれから夏合宿→秋の公演と進むようですが、まだまだ一筋縄ではいきそうもないっすね。


そんな感じの5巻でした。
やはりこの作品の魅力は麦が大きくなっていく様子を見守るような独特のあたたかさのような所にあり、それは相変わらずで良かったです。
ただ、どうにも展開が早くなっている気がします。
立ち止まったままぐずぐずしている様を長々描け、というわけではないのですが、ひとつの話に区切りがついてから次に入るまでに間が無く、次々と進みすぎな観があると言えば良いでしょうか。
もう少し何事もない期間、幕間のようなものを挟んでも良いように思えます。


でもまあ、5巻はこういった感じでもその辺は6巻でそういった流れの物語になるのかも知れません。
5巻だけ切り離して考えると…という事で、1巻からの一連の流れとしてはこれも良いかな。


それにしても甲斐の女装があまりにも理咲に似ている(笑)。
姉弟ってレベルじゃあねぇぞ!
尚、カバー下には恒例のおまけ漫画が収録されていますので、そちらもどうぞ。