BLOOD ALONE 5

BLOOD ALONE 5 (電撃コミックス)

BLOOD ALONE 5 (電撃コミックス)

続きの気になる終わり方、そして1ヶ月の延期を経てようやくの「LONDON WALTZ」編完結巻。
これにていままで描かれなかった事が不思議ともいえるクロエとミサキの出逢いも完璧に把握。
物語は前への歩みを見せるはず。


ですが、ひとまずその前に、といった塩梅に今回は1話完結のショートエピソード群で構成されています。
エピソードは4本。
それぞれ特色のある内容となっていますが、最初のふたつはいつもの二人を描いた穏やかで優しい話。
恒例のニヤニヤ展開満載のアレですね。
そして残りのふたつが例外的で、3つめが一応は吸血鬼であるミサキの“吸血鬼”としての一面を描いた短い話。
最後のひとつが、これから長編に突入しそうな展開でありながら意外にも1話で完結した奇妙な話。
ただ、完結はしたものの今後の布石となりそうな気配も同時に感じられるエピソードではあります。


といったわけで、物語としては4巻に比して割と落ち着いたものとなっています。
その一方、長編に入ると見ることのできないコマ割なしの特殊な作画がショートエピソードで見る事ができます。
実は3巻にもこの構図で描かれた回はひとつもなかったので、2巻以来ということになるでしょうか。
商業誌の漫画としては珍しく(同人誌と呼ばれるものでは割とよくあるのだとか)、賛否両論あるようですが、たまにはこういったのもアリでしょう。
ただ、ひとつ気になったのは上述の3つめのエピソードでのミサキが確かにミサキなのに同じ人物とは思えない点。
「気になった」といってもネガティブな意味ではなく、ストーリーの内容から鑑みるに意図してそう見えるように描かれている風に感じられ、気になるんです。
一見して普段とまったく同じように描かれているのにどう見ても違うように見えるこのエピソード。
意図して描かれているのだとしたら相当高度なテクニックなんじゃないかなぁ、と。
まあ、真偽のほどは確かめようがないので読み手が個々人勝手に解釈するしかないんですけどね。


6巻の発売は来年ですかねぇ…。
気長に待ちます。