うみねこのなく頃に〜Episode1:Legend of the golden witch〜 1

ひぐらしく頃に』で知られる竜騎士07氏の新シリーズのコミカライズ。
オカルトなのかホラーなのかミステリーなのか、或いはその複合なのか。
その辺りが不明瞭だった前作と比べ、いたってシンプルにミステリーの装い。
しかしそれは一見して、の話。
本当にミステリーなのかどうか、竜騎士07氏は読者を惑わす仕掛けを用意しているようです。


尚、ひぐらしの時もそうでしたが、原作は未プレイです。
トンチンカンな発言は生暖かい目と広い心で許して下さい。


さて、もはや説明不要のひぐらしシリーズに次ぐ最新作。
作画は本作から新起用となった夏海ケイさん。
同社のガンガンで連載を持っていた経験もあるようなので新人ではないようです。


という事でとりあえず買ってみたうみねこですが、面白いっすね。
好むと好まざるとに関わらず比較される運命にあるひぐらしと比べると、個人的にはこちらの方が好み。
読み進めてもなかなかゴール(≒結末)の形が頭の中に描けてこないひぐらしに対し、こちらは単純明快でわかり易く最初から到達点の予想がつきます。
ひぐらしに特有だったテーマ性・メッセージ性の高さからくる奥深さはなさそうですが。


以下、舞台設定や概要。
年に一度の親族会議に集まった右代宮一族。
自室に篭り奇怪な言動を繰り返す当主、金蔵。
死期の近い彼が有する莫大な財産を巡って睨み合う子供たち。
遺産を巡り豹変する親を目の当たりにし当惑する孫たち。
そして金蔵の使用人たち。
嵐によって閉ざされた孤島に残った18名。
だが、俄かに浮かび上がる19人目の存在─魔女ベアトリーチェ
果たして19人目は実在するのか…。
それとも18名の内の何者かが生み出した幻影か…。
連続殺人幻想「うみねこのなく頃に」、ここに開幕──…。
 (最後の一行だけ裏表紙より抜粋)


19人目は居ません。
誰かがベアトリーチェに扮して事件を起こしている犯人です。
という前提から犯人探しが始まれば普通のミステリーでしょう。
が、この作品はそうではないようで、焦点は本当に19人目は居るのか居ないのか。
そこが着眼点となる構成のようです。


でもって魔女ことベアトリーチェですが、曰く金蔵が有する財産─黄金─はすべて彼女からの借り物。
契約の期限が来たので返還を求めるが、条件さえ満たせばそのままくれてやるとのこと。
金蔵が死ねば配分はともかく遺産にありつけると考えていた親族の面々は怒り心頭、魔女探しを…。
だがしかし、忘れてはならない。
魔女が突きつけた黄金譲与の条件は、碑文に記されし隠された黄金の在り処を暴く事。
そしてその碑文には生贄を捧げよと記されている事を。


つまり争奪戦を仕掛けた魔女など居ないと確証付けられなかった場合、財産欲しさに碑文の達成に向けて親族を手にかける者が出始める、とそういう図式ですね。
この1巻の時点では物語も始まったばかりでありまだ誰も死んで居ませんが、ミステリーに人死には付き物。
次々と死者が出始めやがて全滅するのが先か、魔女など居ないという結論を出せるのが先か。
そしてもし、魔女の存在を信じるしかなくなったとしたら…?


っていう話でいいのかなぁと確証もないまま長々と書いてみたわけですが、書いた後で読んだ「うみねこ公式ページのイントロダクション」がとても分かり易くて良いですね。
俺が駄文をつらつら書くよりよっぽどリンクを貼った方が良かったんじゃないか…と。
公式はこちら
兎に角も、かなり2巻が楽しみな内容っすね。