とある科学の超電磁砲 1と2

漫画版『とある魔術の禁書目録』が同名小説のコミカライズ。
こちらは小説の世界観と設定を元に『禁書目録』の脇役?を主役にしての原作者書き下ろしのオリジナルストーリー。
いわゆる最近流行りのスピンオフ。
主役は『禁書目録』で当麻に絡んでくる「ビリビリ中学生」こと御坂美琴
当麻以外は今の所これといって『禁書目録』から出張出演している人物はおらず、また登場人物はほぼ全員女性(というか女の子)が占めている。


禁書目録が面白かったので外伝も読んでみよう、という事で一気読み。
実は最初に漫画版のシリーズに興味を持ったのはこちらが先だったのですが、1巻表紙から想像される内容と絵柄がビビっと来ず、パススルー。
2巻で表紙の雰囲気がガラっと変わっていた&禁書目録面白かったから買ってみたわけですが、1巻表紙と中の絵柄が違う(笑)。
2巻の絵柄がちょうど本編中のものと同じ感じ。
1巻からこの雰囲気の表紙を用意してくれていれば最初から買ったのに…。
俺とは逆に1巻を表紙買いした人がどれだけ居るかはわからないけれど、あの表紙は失敗だったのでは。


話が妙な方へ逸れましたが、以下本編について。
(魔術=とある魔術の禁書目録 科学=とある科学の超電磁砲 の事とする。略さないとやってられんので)
魔術が感動ありのドラマとすれば、こちらはアクションとちょっとした謎解きメインのエンタメ。
単純な面白さ、娯楽性で言えば漫画としてはむしろこちらの方が面白いと言えそうです。


超能力者を科学的かつ人為的に生み出すために運営されている学園都市を舞台に物語が始まるのは魔術と同じ。
違う点はそこから魔術の方へ行かず、タイトル通りに科学方面へ展開する点。
あらすじはこう。
主人公─美琴─が親しくしている後輩─白井黒子─は二人が通う学校の風紀委員(ジャッジメント)。
風紀委員は各校にその組織があり、それぞれ独立して校内の治安維持を行う組織。
また、本来都市内の治安維持は別組織の担うところであり、ほぼ越権行為であるがそちらに貢献することもある。
(尚、美琴は風紀委員ではない。黒子に付き合って、或いは巻き込まれて仕事を手伝う事は多いが。)


そして今日もまたここのところ都市内を騒がす爆破事件を追う黒子に捜査協力する(させられる?)美琴。
努力の甲斐もあり、犯人を捕らえ事件は解決するのだが、犯人には本来爆破事件を起こせるほどの超能力はなく…。
そこへ来て浮上する巷に飛び交う「レベルアッパー」の噂。
曰く、何の能力もない者が力を手にし、また既に能力のある者はその力が格段に上がるというまるで違法ドラッグのようなもの。
しかし噂はあくまで噂。
そんな簡単にレベルが上がれば誰も苦労はしない。
そして半ば半信半疑に調査を進めるのだが…。

というように始まります。
なんとなーく雰囲気は『サイコメトラーEIJI』とかそっち系統。
この作品もEIJI同様アクションも多く、上述したように魔術よりもこちらの方がアクション性が強い印象。
学生探偵モノのような謎解き、そしてアクション。更にはキャラクター達が織り成すコメディじみた掛け合い。
一通り揃った万能作品といった感じ。
スピンオフには本家の人気にあやかっただけの劣化作品が多いですが、この作品はきちんと面白いです(←後日加筆箇所)。


また、これが魔術同様こちらの作者もこれがデビュー作のようですが、分かり易くも巧いアクションや表情のバラエティーある表現など、新人とは思えぬ出来具合。
チンピラや悪役・いじめられっ子など、主要人物以外のバリエーションが「如何にもっていう外見ばかり」という点だけが気にならなくもないですが、それも些細な事なのですばらしいっすね。


ちなみに超能力レベルは0〜5までの5段階に格付けされており、能力はひとりにひとつまで。
主人公美琴はその中でも学園都市内120万230万人(←後日修正箇所。約半分って酷い間違いだなw)の内7人しか居ないレベル5の能力者。
またデータベースには都市内のすべての人間の能力がしっかり記録されています。
(故に犯人が現場で発揮した力とデータベースが合致しない→レベルアッパーの信憑性高まるという流れが)
尚、1巻にはそれといったものがなかったので意外と見落とされがちかと思いますが、2巻にはカバー下にオマケ漫画が収録されています(←後日加筆箇所)。


以下余談。
本家である魔術の方がアニメ化されるらしいですが、アニメーションとして映えるのはむしろの科学だろうになぁ、と思わずには居られず。
まあ、アクション性が高いと映像映えする反面それだけ作品作りも大変でしょうし、世にすばらしい作品を出したいわけでもなくただ単に権利元(=原作出版元のアスキー・メディアワークス)がビジネス的にウマーしたいだけのアニメ化にそんな高望みをしても仕方ないんでしょうけど…。
なんか勿体ない気がします。
てゆーかアニメのキャラデザ、特に当麻…ねーよwww


加筆分。
1巻にはそれといったものがなかったので意外と見落とされがちかと思いますが、2巻にはカバー下にオマケ漫画が収録されています。