[漫画] 銃姫〜Sincerely Night〜 4

銃姫~Sincerely Night~(4) <完> (シリウスKC)

銃姫~Sincerely Night~(4) <完> (シリウスKC)

書店で現物を見て「堂々完結」の文字に驚き。
月初の出版カレンダーには(完)の文字がなかったものですから。
それにストーリー的にも3巻が次で完結するような流れではなかったので…。
とはいえ、完結は完結。
不人気打ち切り?という感じでもないので、当初計画から概ねこれぐらいで完結する予定だったのでしょう。


というわけで、他社で現在進行形で刊行されているライトノベル銃姫』の外伝、最終巻です。
小説の17年前を舞台に主人公を別の者とし、小説本編にもつながる重要なエピソードを描いた一作。
本編読者の観点からすれば、小説では決して見えることのなかった物語の側面が見られ、なかなか有意義なものでした。


が、しかし、純粋に漫画単体として見た場合はその限りではありません。
終盤の詰め込み具合、ストーリーや場面展開に見られるまとまりのなさ。
そして何より最後の最後まで良い方向に変化することがなく、見辛いままの作画。
個性があり特徴的な画風、と良い方に捉えられなくもありませんが、クセがあるというよりも破綻気味といった方がより正確かと思います。
アクションの多いタイトルにも関わらず、動的な絵を巧く描けておらず見ていて動きの流れが掴めないのも致命的。
表紙や部分部分のイラストには確かな魅力があるのですが…。


計4巻を総じて、残念ながら積極的に小説『銃姫』の読者以外の方に向けて「これお薦めです」と言える作品には成り得ていないかと…。
昔のルーカやグレイシスらが生きる様を見れたのは大変良かったのですが、それもやはり原作既読が前提ですし、既読ならマル 未読ならバツとキッパリ分けて考えた方が良い作品です。