獣の奏者 1
- 作者: 上橋菜穂子,武本糸会
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/05/22
- メディア: コミック
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原作を知らず、アニメも見ていないのですが何となく食指をひかれたので購入した次第。
結果として大満足。
長いスパンで楽しみにできる本格的な作品です。
戦に用いられる龍にも似た獣、闘蛇。
エリンの母ソヨンは村でその世話を任される者であった。
だが、ある時国主より預かりし大切なその闘蛇がすべて死んでしまう。
ソヨンはその責を問われ、死刑との判断が下り・・・。
イントロダクションはこんなところ。
世界観としてはまず中世頃の大陸を彷彿とさせる舞台。
チョモランマと思わしき長大な山脈も出てくるので、地理的には恐らく現在のネパールやチベットなどが位置する西側。
そしてエリンの母はその辺境にひっそりと隠れ住む部族の出身。
外との交わりを禁ずる掟を犯し村へと下り、今に至ります。
また、この部族では門外不出の操蛇術が受け継がれており、決して人前で披露してはならない決まりなのですが・・・。
まあ、使ってはならない何かがあれば何かのきっかけで使ってしまうのが物語の常。
本作もその例に漏れず、母ソヨンはある事情から禁忌を犯してしまい、これを契機にエリンの運命が大きく動き出す、とそういった流れになります。
ストーリーはここまでは原作に忠実に展開されているそうです。
作画に関しては文句なしですね。
温もりが伝わってくるような暖かみのある絵から冷たく凍てつくような絵まで幅広く表現されています。
何より10歳に過ぎないエリンが見せる表情の数々が魅力的。
中でも特に笑顔に関しては作中の人物が評する通り格別のものがあるでしょう。
総じて今後も大いに期待できる作品。
お薦めです。