ベン・トー 4 花火ちらし寿司305円

ベン・トー 4 花火ちらし寿司305円 (スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 4 花火ちらし寿司305円 (スーパーダッシュ文庫)

いえーい、ベントー最新刊キタぜ!
なんだかテンションおかしいですが、この作品に関してはこういうノリで楽しむのが正しい作法な気がするのです。
そういったわけで、概ね半年に1冊のペースになってきたベン・トーもついに第4巻。


事前に書いた様に今回は結構分厚いです。
ボリューム満点大盛り弁当です。
それゆえに、担当さんに「バカなの?死ぬの?」とこっぴどく怒られたとか。
2冊分割構成にせず、多少削ってなお分厚くなってでも1冊に収めて世に出してもらえる時点で読者としては大層ありがたいことなのですが・・・。


それはさておき4巻ですが、今回はせ・・・先輩がエロいんです(そして著莪は乙女してます)。
もうアレなんでしょうか、ヒロインからエロインになってしまったんでしょうか。
ストーリーの本筋に絡むことはほとんどなしに、場外での活躍(主にエロスな意味で。エロじゃないよ、エロスだよ。)ばかりが光ります。
まだ金城及びHP部の過去エピソードが控えていますので、またいつかメインスポットを浴びて物語の中心に来ることがあるとは思いますが、今回も前回と同じく本筋においては脇役以下でした。
しかし、いかんせん場外での諸々の出来事のインパクトが強いの何の。
とりわけ著莪にからかわれてのとある珍事は、青少年のリビドーを暴発させかねん勢いです。
いいぞ著莪!もっとやれ!


とまあそういった具合に、4巻ともなればこれが初めてという人も居ないでしょうからご承知の事かとは思いますが、上述の点も含め地の文や幕間のギャグ的なノリなどは抱腹絶倒というのは大袈裟としても個人的に相当愉快。
(賛否あるセガネタも各所でバリバリ健在。)
今回は過去の中でも頭ひとつ抜けて面白かったように思えます。
ライトノベルでこそ、といったモノをやり切っている観があります。


さて、場外の話はこれにくらいにして、4巻のメインストーリーについてです。
2巻までで主要レギュラーが固まった観もあるため、今回も3巻の沢桔姉妹の時と同様に表紙のゲストキャラ──淡雪えりか・禊萩真希乃が物語の中心。
ストーリーの起点こそHP同好会の夏季強化合宿にありますが、本題は彼女達のドラマにあります。
合宿地にて出会った彼女達にかつての自分達の影を見た佐藤と著莪。
人生の先輩として、そして何より戦場を共にする狼として彼女らの抱える悩みとトラブルの解決に助力をする、というお話。
道中どれだけふざけていても、やはり今回も最後は締めるところを締めてど真ん中猛進の熱い展開が待っています。


著者自身常々「いつ次が出せなくなるともわからない」と言っておられますが、ここで終わり、埋もれさせるには惜しい一作。
(先述しましたが、まだ槍水先輩に関しての掘り下げにやり残された点がとても多いです。)
どうか、また次があらんことを。お薦めです。買って下さい。