シュトヘル 3
シュトヘル 3 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: 伊藤悠
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/07/30
- メディア: コミック
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一方では、シュトヘルにとってすべての原動力であった怨敵ハラバルが間近に迫っている。
かつての彼女ならば迷うことなく仇を討つことを最優先したのだろうが・・・。
運命は環を描きいま再び原点へと回帰する!
シュトヘル編完結の第3巻。
いや、本当にもしやこのまま終わってしまうのではなかろうか、とそんな不安さえ抱く展開だったのが、今回はあくまでシュトヘル(すずめ)編としての物語が一区切りついたに過ぎなかった。
むしろ作品としてはようやく長いプロローグが終わり、これから本編入りなのかも知れない。
というわけで、それが回想だったことを忘れるくらい濃密な回想が終わり、ようやく時系列が1巻で見た導入の直後へと回帰したこの3巻。
2巻はまだしも1巻を読んだのは大分前になるため、3巻を読んだ折にはいま一度読み返してみると良さそうだ。
というか、そうすべき。
さもないと分かったような気になって実は誤解している。
なんていう状態を放置したまま4巻を待つことになりそう。
そういった意味では少し面倒くさい構成になっていると言えなくもない。
この辺りはさすがにビックコミックスピリッツで連載されているだけあって、やや高めの年齢層を前提にしている印象。
しかしそのことが本作では利点と言え、この濃密な世界を描くに至っているだろうから決して悪いことではない。
しかし何というかまあ、ユルールじゃなくてもシュトヘルがあんなになったらガックリくるのも無理ない。
正直シュトヘル(すずめ)に比してあまりにもスドーに魅力が感じられない。惹きつけられない。
13世紀の世界観に垢抜けた現代人が放り込まれてしまっている感じ、というのが現状であり、ひどく浮いている印象があるのだ。
今後は彼(体は女性のままだが)がどのように変化し、物語を盛り上げていくのかに注目したい。
そして、すずめ以上の逸材になってくれないと困る。