GOSICK 第1話「黒い死神は金色の妖精を見つける」


最新刊が出なくなってから数年。
さらに原作者の直木賞受賞も遠い記憶の彼方となった今、何故このタイミングで?という謎のアニメ化が実現した同名小説のアニメ。
きっと多分、版権が富士見から角川に移ったことがきっかけだったんだろうなぁ。
それはさておき、ローゼンメイデンのような喋って動く生きた人形とは逆に、人形みたいな女の子が画面を賑わすゴシックミステリー、BONES制作でお送りされる第1話。



さて、ついに放送開始となったGOSICKの第1話です。
まず、原作ファンから見てこれといって大きな不満はなく概ね良好なアニメ化になっていました。
強いて難点を挙げるなら声とキャラデザくらい。
声はヴィクトリカの場合、原作からして「老婆のようなしわがれ声」という何とも具体的にイメージしにくいものだったからさほど違和感なし。
一方で、一弥はこんな感じかな?という脳内イメージが出来上がってしまっていたので、少し違和感を覚えます。
けれどそれも多分慣れれば気にならなくなる程度。


そしてキャラデザは、やはりこちらも一弥に若干ひっかかるところあり。
何と言うべきか、ラブコメの凡庸な無個性主人公と変わらない感じになってしまっているのがすごく残念(´・ω・`)
とりわけ「歳の割りに幼く見える」という一弥のあどけなさが残る雰囲気が失われている点が失点。
まだ子供っぽさが残っていて頼りなさそうな外見の一弥が、ヴィクトリカのために背伸びして懸命になる姿もひとつの萌え(燃え)要素だと、個人的にはそう考えているので尚更です。


そうそう、デザインといえばアニメはどうしてものっぺりするというか、平面的に感じられてしまうせいでヴィクトリカの頬のぷにぷに感が不足がちなのも勿体ない。
思わずつっつきたくなるようなあの感じがたまらなくいいのになぁ。

  • ストーリー展開

やや駆け足気味。
神秘性すら感じさせたヴィクトリカと一弥がそれなりに親しくなっていく流れが希薄だったように思えます。
まあ、それは今後もっと十分に描かれていく機会があるんですけどね。


尚、今後に関しては最終的にオリジナル展開になるのが濃厚。
原作が完結していないというのもありますが、OPで既に原作にはなかった展開を思わせる場面が挿入されているのが最大の根拠。

  • ブロワ警部

ヴィクトリカかわいいよヴィクトリカ」というのが恐らくこのアニメにおいて最も一般的な嗜み方になるかと思います。
が、個人的には警部のドリルの一挙手一投足が全編余すことなく視覚化されたことこそアニメの最大の見所なんじゃあないかとそう思っているわけですよ。
そして、中の人も良い演技をしていますねー。

  • OP

現場でちょっとした悲鳴が上がったらしいだけあって、面白い仕上がりになっていました。
やわらかい感じの色づかいも『GOSICK』っぽくて良いですね。
曲の方も無難なものだったと思います。

  • ED

まずもって曲が琴線にずどーん!ときました。
音楽が良くて歌声も良くて、ちょっと鳥肌の立つような曲。
映像は特別何かすごいところがあるといったものでこそありませんでしたが、曲との相性が良い。
おざなりにアニメ化されたライトノベル原作作品だと、OPくらいは頑張っていてもEDは手抜き感が漂っていたりすることも珍しくないので、期待していなかった分ちょっとした感動でした。


尚、OPとは違いED曲は現時点で発売未定。
OPはアニメ公式HPにも情報の記載があるのに対し、EDは一切触れられていないのが謎です。

  • これってミステリー作品なの?

ウウン、チガウトオモウヨ。
ミステリ要素に関してはアニメ化に際してはしょられた結果としてあんなことになったのではなく、原作からしてあんなものです。
まあぶっちゃけ、この作品にミステリを期待するのは野暮というもの。
他に見るべきところ、楽しめるところを見出せなければ視聴を続けてもしょうがないかなぁ、と思います。

というわけで、第1話でした。
キャスティングが未公表という見てのお楽しみ扱いとなっている残るメインキャラの一人、アブリルの登場がいつになるのかが気になるところ。
来週・再来週くらいまで出番がないのが