STEINS;GATE 史上最強のスライトフィーバー 1

各方面でメディアミックスを展開中である『STEINS;GATE』のスピンオフ作品。
本作は原作におけるヒロイン兼主人公のパートナーとなる牧瀬紅莉栖(以下助手とする)を中心とし、彼女の視点から本編をなぞる仕様になっている。
そのためストーリー展開はほぼ原作準拠。
オリジナルの展開を繰り広げるというよりは、合間合間に原作では描写されていない助手の行動や思考・感情などの掘り下げがなされている。
その弊害として、1巻はフェイリスとるか子が出番皆無。


尚、助手の描写に比重が置かれているため原作準拠であっても、展開そのものはハイペース。
事前に大本の話を把握しておかないと本作を十分に楽しむことは無理であると思われる。
そういった観点では、やはり本作も原作ファンのためのファンサービスの一角という位置づけ。
ファンならば大いに楽しめるが、そうでなければ物足りないものがあるだろう。
本作に単体での漫画としての完成度を要求するのは難しい。
あくまでも他媒体(理想はゲーム、次点でアニメ)と併せて読むことで真価が発揮される作品だ。


そのほか、作画は比較的マイルドというか、丸っこい雰囲気になっている。
故に、登場人物が全体的に原作よりも低年齢化したような印象を受ける。
しかし甲斐あっておかりんはちゃんと18歳らしく見えるようになっていたりもする。
また、いまのところは登場人物が織り成す漫才めいた掛け合いやコメディに作画がよくマッチしているが、このタッチで後半の緊迫感などをどこまで表現できるのか。
次巻はその辺りに着目してみたいと思う。