咲-Saki- 8

咲 Saki (8) (ヤングガンガンコミックス)

咲 Saki (8) (ヤングガンガンコミックス)

県予選の激しい戦いを勝ち抜き、全国行きを目前に控えた咲たち清澄麻雀部。
合同合宿によって更なる強化に勤しむ彼女らであったが、そこで得た“戦う力”はテクニックよりもかけがえのない戦友たちからのエールだった。
託された想いを重圧ではなく糧に変え、いま、咲たちの全国での戦いが幕を開ける。
TVアニメ新プロジェクトや外伝の連載開始の発表などが相次ぎ、いまだ勢い衰えぬガールズ麻雀シリーズ第8巻。


しばらくぶりの・・・、待望の8巻。
本作に関しては、もはや内容においては何ら心配はないため一にも二にも連載ペースだけが悩みの種である。
そういった観点では、外伝やアニメは大いに結構であるが、またぞろアニメ放送中のようにペースがガクンと落ちやしないかが非常に気がかりだ。
前回はまだ県予選も終わった幕間であったから良いが、今回は本大会の火蓋が既に切って落とされているだけに、辛抱強く待つには少々辛い。
無理を押してでも・・・とは言えないものの小林さんには鋭意制作に励んで欲しいのが正直なところ。


さて、8巻は・合同合宿の続き ・組み合わせ抽選会 ・全国大会二回戦先鋒戦(途中)といった内容になっている。
ここからもお分かり頂けると思うが、清澄の一回戦はわずか数コマの描写によって危なげなく通過したことが伝えられるのみとなり、ほぼスルー。

むしろライバルとなる他校のうちの一校の方が描写が多い。

主要人物を擁するシード校の登場は二回戦から&ノーシードの清澄は仮に決勝まで進出するとなると全三回戦。
それらを踏まえると、致し方ない構成と言える。


尚、対戦模様の本格的描写は次巻からの様相を呈しており、今回はあくまでも前フリなどが中心。
そして、俗っぽい言い方をすればいままでにないほど“絆”を描く描写に富んでおり、1〜8巻までの本作を楽しみ、親しみを抱いてきた人ほどぐっとくるものがあろうかと思う。
中でも特に、個人的には巻の中盤辺りにさらっと差し込まれている清澄高校一同からの応援メッセージを受け取る場面がお気に入り。
初めはたった一人という状況からここまでこぎ着けて来たことを久が強く実感する場面となっており、目頭を熱くさせられた。
それだけに、こういった背景を踏まえた上での戦いとなる全国大会は、県予選とはまた違った楽しみを味わえそうだ。
本当に・・・早く9巻が読みたい。