CLOTH ROAD 11

CLOTH ROAD 11 (ヤングジャンプコミックス)

CLOTH ROAD 11 (ヤングジャンプコミックス)

欲望にまみれた父親の暴走を食い止め、世界を救え。
そして、彼の犠牲となった母親を取り戻すのだ。
そのために多くの仲間の力を借り、最終決戦に挑むファーガスとジェニファーだったが、実は母アルジャンヌは・・・。
2ヶ月連続刊行、堂々フィナーレ&長期連載として丁度良いボリュームとも言える全11巻の最終巻。


父対子の最終決戦が幕を閉じた。
天才の掲げる思想を現実を生きてきた凡人が否定する。
そして、それを成すために多くの仲間の力を借りて・・・という筋書きは安定と信頼の倉田節。
実にいつもの倉田さんらしい展開であった。


故に、このシリーズに固有の特色を味付けしたのはokama氏のはたらきをもって他にない。
作画効率の都合など一切度外視したかのような、誰もが放り出したくなるアイディアとデザインを現実のものとし、そのクオリティを維持したまま長きに渡る連載を休むことなく継続した業は驚嘆に値する。
そしてこの最終巻はまさにそのokamaクオリティの総決算とも言えるものだった。
これは服飾のみならず、双子やアルジャンヌの心情を示す表情の作画も含め、科白に因らずとも絵が物語る作画がなされていたように思えるからである。
いつかまた彼がシリーズの連載を担うことがあれば、是非その作品も手にとってみたい。