クリスタルサイレンス 上

クリスタルサイレンス〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

クリスタルサイレンス〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

舞台は2071年。一部の人々が移り住み、移住環境が整いつつある火星で環境知的生命体の存在裏付けになるだろう高等生物の死骸が発見された。
生命考古学者であるサヤは、発見現場へ調査に赴くことになる。地球に恋人を残して…。

といった塩梅で始まる本作品(ベストSF1999 国内篇第一位作品の文庫化)。
純粋にSFしてるかどうかの判断は俺には出来ないけれど、どっちかというと「何が潜んでいるか解らない」「学術調査の裏で何の思惑がはたらいて、何が成され様としているのか」といった要因からくる不気味さが引き立ってる。
話の方もそういった流れから、伏線だらけで上巻だけでは何とも言い難いのが正直な所。
ひとつ現時点で言える事としては、結構な分量で差し込まれてる科学・生物学・IT技術等々の解説がなかなかに退屈。
無きゃ無いで意味不明になるから困るんだろうけれど、デビュー作ということもあってか差し込み方が悪く、もう少し工夫が欲しかった。
試験期間中だけど、今月中には下巻も読んでしまいたい。