Variante 4

Varianteヴァリアンテ04 (カドカワコミックスドラゴンJr)

Varianteヴァリアンテ04 (カドカワコミックスドラゴンJr)

シリーズ最終巻。
予定通りの連載終了なのかどうか定かじゃないが、纏め方がどうにもよろしくない。
以下シリーズ概観の話。※結末バレになるので一部ステルス


あまり趣味の良いやり方ではないとはいえ「主役を痛めつけて、絶望させて、どん底から立ち上がる姿を描く」っていうのはある種の感動を呼ぶ。
カタルシス云々って説があるくらいだから、これは否定できないけれど、この作品に至っては少々やりすぎ。
つーか、大人の下衆な目的の為に遺伝子工学だ何だのでいじくられた犠牲者って役割を与えて、やるだけやっておいて救済措置がないってのが酷い。
“終わる”ことで救われたって見方も当然できるが。
映画でいうならセブン(ブラピのね)みたいな。
まあ、最後の見開きには良い絵を残してたり、あえてこういった展開にしたのだろうけど、もう少し見せ方に工夫が欲しかったかな。
上で引き合いに出した映画は救いのない話だったけど完成度高かったし。


他にも、どうにも何を伝えたかったor描きたかったのかよく分からないぼけた印象があったりもする。
終盤に突如、この計画は憎むべき人類を滅ぼし新種を創生するものだったって展開になるが、そこから話を膨らますでもなし。
ありがちながら、禁忌を犯すことへの倫理観だとかそういったテーマに触れるのかな、と期待したけどそうでもないし、だったら今更そんなネタばらししなくてもいいんじゃ?
終わり良ければ全て良しの逆で、とにかく中途半端感が否めない作品だった。割と好きで応援してたのになぁ。