マーケットの魔術師[株式編]

マーケットの魔術師【株式編】《増補版》米トップ株式トレーダーが語る儲ける秘訣 (ウィザードブック)

マーケットの魔術師【株式編】《増補版》米トップ株式トレーダーが語る儲ける秘訣 (ウィザードブック)

すっごく久しぶりのビジネス書。
なかなか興味深く、面白かった。「役に立った」とか「参考になった」ではない。「面白かった」である。
本著は米国市場で優れた成績を上げているトレーダーへのインタビュー形式。
履歴や成績,手法,成功例,失敗談,教訓などが主たる内容であり、14人の“ウィザード”の話が聞ける。
ロスカットをする人、しない人*1
買いのみの人、売りのみの人、または両方行う人
短期の人、長期の人
テクニカルの人、ファンダメンタルズの人、あるいは両方の人
etc...
まあきりがないわけだが、要するに様々なやり方で各々成功していることがわかるわけだが、決して指南書にはなり得ないことに留意。
そういった意味では、自分のトレード手法が確立していないビギナーはあまり読むべきではないかも知れない。
というのも、下手に感化されてしまって真似事をしてみても良い結果は得られないだろうから。
あくまでも自分の手法を持っており、他人の手法や成功例は「それはそれ」として聞き流せる程度の人が読むにあたり望ましい。
或いは、他人の手法をみることで自分の手法を顧みたり、照らし合わせるに留めておけるなら参考としての影響が及ぶのも良いかもしれないが…。
何にせよ、とりわけ“失敗談”が興味深い。
屈指のトレーダーも過去には、アホちゃうか?と思われるような失敗をしており、中には幾度も繰り返している者までいる。
成功例は役に立たないが、失敗例は万人の役に立つ。この点に関してはビギナーの人にも有益だろう。

*1:本来ロスカットは業界では鉄則のはず