図書館内乱

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 図書館戦争の感想はこっち

  • 図書館内乱の“ここが…”って絞り込めるかよ!

  感動のシーン、面白いシーンあれもこれもありすぎてとても1回読んだだけでは…。
  何ヶ月か後にもう一度読むことがあるだろうから、その時に改めて考えたいと思う。


同著者『図書館戦争』の純粋なる続編。
図書館戦争』では火花散る外部との抗争が描かれたが、今回はぶすぶすと煙立つ内部抗争の物語。
前作を舞台像の披露をしながら郁(と堂上)を中心に展開した一連の物語と位置づければ、今作はさながら、その舞台に生きる各人物を追究した小さな物語の集まりであり、これぞまさに「全員が主役」…
 一章で郁のおとんとおかんを──(おとんえぇ人や…)
 二章で小牧さんを──(有川さんって男女の年齢が男>女─しかも結構離れてる─になる組み合わせとことん好きだよね・笑)
 三章で柴崎──(自称クールビューティの本音が垣間見れる)
と、ショートストーリーを重ねつつこのまま時間経過していくのかと思いきや!
四章(メインは手塚)以降で来たよきたきたの猛烈ラッシュ。
それはもう、一章の時点から伏線は張られてあるわ郁・堂上以外への人物へも感情移入度は高まってるわでこっちもただ事じゃあないわけで…。
「突入だー!」「断固阻止だー!わぁぁぁーー」とかやってた前回より静かながら、それでいて押し寄せてくるうねりの大きさはそれ以上。
読む手の興奮と先読みや期待もますます高められてしまう寸法ですよ?「これはもう、駄目かも知れんね…。」良い意味で。
そして単純直情猪突猛進、愛すべきバカこと郁にもますます愛着が湧いて湧いて…。
作中の人物が母性愛にも似た放っておけない感を抱いてしまうのも無理なし。
正式にシリーズ化も決定しており、あと何冊か続くようなのでまだまだこの世界を楽しもうよ。
火種は撒かれた…さぁ、次は発火ダヨ!ははははは。


ちなみに、作中に『レインツリーの木』という架空の小説が登場しますが、新潮社から今月下旬に出版…フィクションをリアルが追いかける形で架空ではなく現実のものとなるというすばらしく粋なコトをやってくれます。


しかし何だなぁ、作中の「あるべき理想の姿を未来に得んがために今を我慢し犠牲に耐えろ」って改革論は、小泉政権のそれに通じるものが多くて、有川さんからみた小泉さんの政策について、ついつい深読みしてしまう。