仕立屋工房 1


『手』人間の生活必需品を作り出す最も原始的な道具
特に一つの分野を極めた職人たちの持つ手は人々のあらゆる願望を形にしてきた
中でも“神の手”を持つと崇められた『天選』の存在は今も伝説としてこの世界に語り継がれている
これはアルトリエという世界の『天選』と呼ばれる職人たちのお話──
(本編introductionより)


『天選』─マスターピース─が活躍したのもはるか昔、いまやおとぎ話の世界となってしまった時代。
『天選』を信じて疑わない仕立屋の少年─マクモ─が主役のファンタジー物語です。
まあ、もう1話の段階でマクモ自身がそのマスターピースだと判明するので、ネタバレも何もないから言ってしまいますけど、マクモがマスターピースとして悪事をはたらく者を懲らしめる為、困っている人を助けるためにその腕を奮うって話ですね。
とはいえ、1巻には3話しか収録されていない為、これは俺の思い違いで実際はそういう話じゃない可能性も(笑)。
とにかくも、一応はヒーロー物に分類できるような話でありながらも独善的ではないストーリーが程よい印象。
ちょっと…大分?マヌケで親しみやすいキャラクターのマクモが良い。
しかもこのマクモ、仕立ての腕は確かでも美的センス─要するにデザイン─が最悪というおもしろ人物(笑)。
惜しむらくは、定番要素の内「ヒロイン」にあたるモノがないこと(絶対なきゃいけないわけではないですが)。
それともサテンがそうなるのかな?
いずれにしても、評判の良さを頼りに買ってみて良かったと思える内容でした。


ちなみに1巻は3話しか入っていませんが、連載の前身にあたる読み切り版が収録されています。
こちらはヒロインの登場もあり、また完成度もかなり高く、これだけでもかなりイケてるんじゃないかと。