図書館危機

図書館危機

図書館危機

  • ココにうるうるこ、「……れしきのことで騒ぐなバカどもが……」(313頁)

たいちょーーーー・゚・(ノД`)・゚・。


ぐわぁぁ、もう駄目です>┼○∴:..バタン
後半の怒涛の展開についていけません。
涙腺の防衛ラインを何度破られたことか…。
もう何を言って良いのか、何から言えばいいのかわからないので、とりあえず無難に概要でも。


今巻も五章で構成されています。

  • 一章:前回、手塚兄に“王子様”の正体を知らされて「私どうすればいいのー!」状態の郁のバカ騒ぎ話と、図書館で最近起きている迷惑行為に毬江が被害に遭ってしまい、班を挙げて小牧の逆鱗に触れた愚か者を成敗しようという話。

迷惑行為=痴漢行為です。これに関してはやはり虚構でもムカッときますが、郁の暴走がコミカルなので調和の取れた章になってますね。

  • 二章:郁ら三人が昇任試験に望むが、一番合格の危うい郁ではなく、ある理由により手塚が苦戦する話。

出来杉君こと手塚が珍しくおたおたします(笑)。
主役も彼と言って良い章ですね。
『図書館内乱』での一件以来、結構仲が良くなった観のある柴崎と手塚のコンビが珍妙。

  • 三章:玄田隊長の昔馴染み─折口記者─が携わった世相社の出版プロジェクトがメディア良化法の定める違反語の問題により暗礁に乗り上げるが、玄田の入れ知恵によっておもしろい展開をみせる話。

“玄田流”の解決案の痛快さと違反語を巡る人々の人情が染み入る章です。
ちなみにここで違反語として問題になるのは職業呼称で、たとえば魚屋はレッドで鮮魚店はグリーンと言うような当事者からすれば「はぁ?なんじゃそら、ざけんや!」という様なもので、この辺は実際のところある程度ノンフィクション、実情として現代にもあるそうです。

  • 四章:茨城で良化特務機関との大掛かりな抗争が予想される催しがなされるものの人員が足らず、また特殊な事情があるらしく図書特殊部隊が応援出動するという話。

茨城は郁の地元、両親─特に母親─に戦闘種であることが知られてしまう懸念があり…。
更に、何やら茨城の図書館事情は並々ならない問題を抱えているらしく、派遣先で次々と直面する事態に暗示される不穏な空気。
そして特殊部隊員唯一の女性として、一時的に“問題の”現地の寮での生活を余儀なくされた郁の戦いが見所。

  • 五章:『図書館戦争』での情報歴史資料館攻防戦をも凌ぐ苛烈さとなる特務機関との正面衝突を凌ぐも、多大なる犠牲が図書館隊に重くのしかかる。そして、明るみになった茨城の問題を巡り稲嶺司令はひとつの決断を下す…。

かつてない程に凄まじい物語が繰り広げられます。
そんなに頁数あるわけでもないのに何だか物凄い質量の文章を読んだような気にさえなりました。
有川さんは読書家達の神様です。


とまあ、何をとってもシリーズのベストオブベストな印象っすねー。
こーれで1,600円(税別)だっつーんだからメディア規制法とかなくて本当に良かったですよ(笑)。
尚、次巻がシリーズラストとのことです。
年内には出るでしょうけれど、どのような物語…そして結末となるのか、待ち遠しさも一塩ですね。