夜桜四重奏 2

夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~(2) (シリウスKC)

夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~(2) (シリウスKC)

  • ココにハラハラもうやだよう・・・・こんな力いらないよう・・」(33頁)

あぁ、桃華ちゃん…おろヽ(´Д`ヽミノ´Д`)ノおろ


人気イラストレーター、ヤスダスズヒトさん初のオリジナル長編第2巻。
のっけからごめんなさい、1巻の時に「伝奇アクション」だと思いそのように書きましたが、アクションものではないかも。
たしかに1巻ではそういう展開もありましたが、2巻はそうではなかったので認識改め。
じゃあどんな作品なのかと言えば、うーん…あるひとつの町に生きる人たちの群像劇かな?
桜新町に集まる妖怪と、彼らと共存する町の人たち。
その共存が揺らぐ事態がすぐ近くまで差し迫ってきていて…。
というのが2巻のお話。


まー早い話が1巻時点とガラっと印象が変わりました。
1巻では居るのが当たり前だと思っていた妖怪の人たちも、実はイレギュラーで“人間の世界”に存在しており、そのため時折不安定になり人との共生が困難になる。
そしてその調和と安定─調律─を図る役割を担う人及びその調律を実現するためのシンボルが在るのが桜新町である、と。
この辺の世界観や設定周りの掘り下げが2巻でされていて、オマケのあとがき漫画では「なんともはや地味な巻」とぶっちゃけられてますが、3巻以降物語が大きく動いてくる(であろう)上で非常に大事な巻だったと思います。
ただ、今回は秋名、それから新登場の人たち絡みの話が中心だったから主役のはずのヒメも、アオもことはもろくろく活躍がなかったのは確かに物足りなかったかな(笑)。


といったわけで、2巻まで読んで初めてどういった作品なのか、物語の全容が見えてきます。
舞台像がハッキリとする巻ですね。
それから、あとがき「ただの『漫画好きのイラストレーター』で終わるのか?それとも『漫画家』になれるのか?」
俺はもう十分に…ってのも偉そうな言い方ですが、ヤスダさんは立派ないち漫画家だと思いますよー。
3巻も楽しみですわ。