イエスタデイをうたって 5

イエスタデイをうたって 5 (ヤングジャンプコミックス)

イエスタデイをうたって 5 (ヤングジャンプコミックス)

ついに「3年弱ぶりの新刊」なんて有様になってしまった『イエスタデイをうたって』の第5巻。
しかし、連載のペースは落ちてもクオリティは落ちてないっすね。
やはりこれだけの間隔になっても連載が継続されているだけのことはあります。
横恋慕と各自の葛藤が絡まった独特の人間模様は色褪せず「らしさ」を醸し出してますよー。


ハルにアタックかけた男性は海の向こうへ。
リクオの所に居候していた女性も行くアテがついて部屋を出て行った4巻を経て、また元のぐるぐる関係に戻ったような3人(リクオ・ハル・しなこ)。
けれど、自分の進路と絵に苦悩する浪がしなこを揺り動かしたことでちょっとした変化が起こりそうな気配に…。


具体的には、今までも浪にグイグイ押され「このままじゃあいけないんだろうな」と悩みつつも何となく躱し続けその場で足踏みしていたしなこが前に進む為に少しだけ傾き始めます。
んで、そんなしなこに感化されて…というかしなこのアクションを受けて、今度はリクオもはっきりしない自分を振り返る。
「ハルとはそういうんじゃないけれど、だからってこのまましなことよろしくするのもスッキリしない…。ハルは違う、断じて違う!けど、うーん…。」という具合に。
まあ、かなり前からこんなような関係だったと言えばそれもそうですが、「進んでるようで進んでない。でも進んでないようで進んでる」この物語が味わい深いんですよねぇ。
仕事や生き方・他人のこと、色々悩んで考えて、「自分って者が何なのか、どうなのか、どうしたいのか」
丁度リクオと同じ年くらいになった今だけに、ただの恋愛云々じゃないこの独特の葛藤とそこから少しずつでも“答え”みたいなものを出していく彼らに元気づけられもしたり。
うん、俺も頑張らなくっちゃな、って。


というわけで、しなこが動き、ハルはいつものまんま変わらない。
じゃあ、今回で仕事の方も固まり始め、地に足が付き出したリクオは?
そんな感じで6巻へ。